2024年12月24日火曜日

湯たんぽ

                     
 師走に入ってからは、さすがにいわきの平地でも寒さがこたえるようになった。山田町では23日までの間、最低気温が氷点を割ったのは13日。これが1月に入ると、さらに冷え込むことになる。

 若いときと違って、老体には寒さがこたえる。子どものころからの冷え性で、外に出るとすぐ指先がかじかむ。ふとんにもぐりこんでもつま先は冷えたままだ。

 この冬初めて、家にある湯たんぽを引っ張り出した=写真。子ども用なので形は小さい。石油ストーブにかけてあるヤカンのお湯を利用して、毎晩、寝る前に湯たんぽをふとんに入れる。

 「防寒対策」はそれだけではない。下ズボンのほかに、上は毛糸のチョッキ、おちょんこ、薄いジャンパーも部屋着にしている。

 暖房は石油ストーブに、時折、ヒーターを加える。ストーブだけだと室温が20度を割ることがあり、ヒーターを付けると逆にすぐ30度近くになる。

振り返れば、今年(2024年)は元日の夕方、能登半島を巨大地震が襲った。当たり前にあった日常が一気に奪われた。

東日本大震災では、沿岸部が大津波に飲まれた。内陸部は津波被害こそ免れたものの、建物損壊が相次いだ。水もしばらく出なかった。

それからの連想で、水を飲むたびに、トイレへ行くたびに、歯を磨くたびに、能登の被災者の不便を思った。

ふとんにもぐって寝るときには、被災者は避難所で冷えて震えているのではないか、そんなことも想像した。

 1月の厳寒期、日常が戻った東北の一老人は初めて、夜中に湯たんぽが欲しくなった。それから11カ月。実際に湯たんぽを使い始めた。

 最初は足元に入れておいた。が、どうも体が温まらない。使い方を間違えている? ネットで調べると、まずは腰あたりに置いて、余熱で胸や腰を温めるようにするといい、とあった。

 ふとんに入ると、睡眠薬代わりに本を読む。横向きなので、いつの間にか足を重ねて折り曲げている。それで足先も湯たんぽの余熱に触れられる。以来、湯たんぽはふとんの真ん中やや下にある。

 早朝はやはり寒さがこたえる。布団を離れると、パジャマの上に外出用の厚手のジャンパーを羽織り、ストーブに火をつける。こたつの下の電気マットをオンにする。

毛糸の帽子をかぶって、玄関の戸を開け、新聞と牛乳を取り込む。帽子がないと、たちまち頭部を寒気が襲う。

 うがいも、のどを潤すのも、水ではなく、温水器を通したぬるめのお湯を使う。水だと冷たすぎて歯茎が反応する。

 食器を洗うのも、秋の終わりのころからお湯に切り替えた。でないと、手の指先が引っ込んで使えない。

 あとは一つ。こたつのカバー掛けだ。こたつといっても本体は故障している。代わりに、電気マットをオンにして、毛布を足にかけている。

こたつの中に熱がこもるよう、カバーを掛けないといけない。「ずるずるしているうちに年を越してしまうよ」。わきから声がかかるのだが、だるまのように動かない。。

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