9月にテレビを新しくした。最初に届いたのはすぐおかしくなった。テレビ本体に不具合があったらしく、何日かたって別の新しいテレビが届いた。今度は大丈夫、安心して見ている。
前は2006年製造の中古テレビで、震災後、家を解体するというので、廃棄処分になったのを引き取った。
その前のテレビがダメになったとき、それを引っ張り出した。ちゃんと映るというので、そのまま見てきた。
製造年以後に開局したテレビ局の番組は見たくても、リモコンにその局の数字がない。今度は以前のテレビのようにBS11イレブンが見られる。
BS11イレブンはカミサンが見る。好きな番組は「名探偵ポワロ」。ニュース番組は5~6時台で終わり、7時になるとリモコンをカミサンに渡す。
最近は午後1時からの中国ドラマ「如懿伝(にょいでん)」も見る。私もつられて、たまにだがポワロと中国の王宮ドラマをのぞく。
土曜日は土曜日で、宵の6時半になるとカミサンはBSテレ東にチャンネルを合わせる。映画「男はつらいよ」を放送している。「寅さん」は私も見る。
それで、「これは前にやったよ」「これも前に放送したよ」と、わきから茶々を入れることもある。
10月11日の「男はつらいよ」は、これまでとはちょっと違っていた。いや、ちょっとではない。大いに違っていた。
映画「男はつらいよ」シリーズ50周年記念作品として、2019年「男はつらいよ お帰り寅さん」が公開された。そのテレビ放送である。
50年も続けて寅さん映画を製作してきたこと自体、驚きである。その記念映画の内容もまた驚きだった。
寅さんの甥っ子・満男はサラリーマンを経て新進作家になっていた=写真(ネットのテレ東情報)。
結婚して娘が生まれ、すでに大きくなっている。が、妻は死んでいない。7回忌の法要が営まれる。いつの間に、というか、こちらには想像もつかないような飛躍だ。
当然、「くるまや」の「おいちゃん・おばちゃん」は遺影だけの出演になった。隣の工場はアパートに代わり、「くるまや」はカフェになっている。寅さんの妹さくらと夫の博はくるまやの裏の住居に住んでいる。
さくらは老眼鏡をかけ、博は頭が白くなっている。老いを物語るシーンがあった。いつもの「くるまや」の茶の間で、家族が座卓を囲んでいる。囲んではいるのだが、博は椅子に座っている。
年をとると立ち上がるのがきつくなる。座卓を脚の長いテーブルに替え、いすで食事をと、私ら夫婦も話している。現にそうしているシルバー家庭がある。
寅さんとその家族を描き続けてきた結果、家族の代替わりまで話が発展したわけだ。
そういえば、ポアロ探偵も言っていたな。「人間は年をとると耳に毛が生える」。思い当たることがこうも増えるとは――。ときどき感心しながらテレビを見る。
0 件のコメント:
コメントを投稿