きのう(12月29日)の続き――。いわきキノコ同好会の総会・勉強会を終えて懇親会に移ったとき、FB友でもある四倉の吉田健二君が“アカヤマドリタケ”をバッグから取り出し、テーブルに飾った=写真。
果物や野菜を利用したカービング(彫刻)がある。木で野鳥や魚をつくるカービングもある。ケン君は鳥や魚の代わりにキノコを彫る。それをみんなに見てもらうことにしたのだ。アカヤマドリタケはまだ製作途中だという。
アカヤマドリタケはイグチ科のキノコ。傘の裏が“ひだ”ではなく、“管孔”(細かい穴が密集)になっている。石森山でも夏井川渓谷でも真夏になると現れる大型キノコだ。
幼菌ならそのままスライスしてバター炒めに。大きいものはゆでて傘の裏の管孔をはがす(下痢予防)。傘は適当に刻み、柄はスライスする。傘は大根のおろしあえにしてもいい。柄はわさび醤油で。大きなイグチの柄は弾力があって、アワビのようだ。余ったら冷凍保存をする。
イグチ系、とりわけヤマドリタケは、ヨーロッパではトリュフ並みの名菌らしい。イタリアでは「ポルチーニ」、フランスでは「セップ」、ドイツでは「シュタインピルツ」と呼ばれて歓迎される。いわきで採れるのはヤマドリタケモドキ。ヤマドリタケにはまだ出合ったことがない。
ケン君がキノコカービングを始めたのには、福島ならではのワケがある。野生キノコは、福島県内では会津の一部を除いて摂取・出荷が制限されている。採って食べられないとなれば、私は「撮るしかない」、ケン君は「彫るしかない」となった。
カービングのアカヤマドリタケを見た同好会の冨田武子会長が、柄の網目状の点々について、ある色(名前を忘れた)を混ぜると、より本物に近い色になるとアドバイスした。会長は画家でもある。ケン君にとってはキノコの色、形をより精巧なものにしていくうえでいい機会になったのではないか。
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