きのう(12月28日)の夜9時38分ごろ、茨城件高萩市で震度6弱の地震が発生した。いわき市平では、体感で4(気象庁の観測でも4)だった。6弱は、いわき市でも3・11と1か月後の4・11、4・12の3回経験している。4・11,4・12はいわき市南部が震源だった。
いわき市南部の「井戸沢断層」の先、茨城県北部に「高萩断層」がある。常陸(茨城)・磐城(福島)の「常磐」地区はまだまだ要注意ということだろう。
6弱では、あわてて外へ飛び出した、立っていられずに車に手を置いた。地面が波打った。家のなかでは本や食器がなだれを打って落下した。高萩でもそんな家が多かったのではないか。
さて、きょうはキノコの話――。年3回の観察会はパスしているので、年末に顔を合わせる機会が唯一の情報収集の場だ。その年のいわきのキノコの状況がコンパクトにわかる。おととい夜、内郷のクレールコート(旧内郷館)でいわきキノコ同好会の総会・勉強会・懇親会が開かれた。
勉強会では、会長の冨田武子さんがプロジェクターを使って、今年のいわきと他地域で開かれた観察会で確認された希少種、同定不明種などを主に紹介した。カワムラジンガサタケ、アオミドリタマゴテングタケ、キイロウラベニタケ、ナツコウタケ……。初めて聞くキノコの和名だ。モモイロダクリオキン(桃色ダクリオ菌)は、胞子が不気味だった=写真。
懇親会では、それぞれが「今年のキノコ」を報告した。いわきの人間が知りえた菌界の最新情報だ。私は8月初旬、ロシアのサハリン(樺太)で見聞したキノコの話をした。
同好会の目的はキノコを深く知ること。それには「食べる」ことと同時に、「見る」「調べる」ことが入る。観察会で採取されたキノコを同定する。よくわからないものは会長が持ち帰り、顕微鏡で胞子を調べる。そんな集まりだ。
私は、「食べる」「見る」どまりで、顕微鏡で「調べる」ところまではいかない。が、同好会に入って学ぶうちに、「食べる」に関してはとても臆病になった。キノコを知れば知るほど「きれいだけど怖い」「美しいけど手が出ない」「地味でも危ない」――そんな気持ちが強くなってきた。
これは食毒とは別の観点からいうのだが、顕微鏡による胞子の形・色は別の意味で面白い。胞子まで見ないと同定できない。しかし、胞子を見ても同定できないものがある。「ナスと一緒に食べると中毒しない」という迷信以上に、菌界は不思議に満ちている。奥が深い。
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