FMいわきが今年(2016年)9月1日、開局20年を迎えた。それを記念する「感謝のつどい」がおととい(12月19日)、いわきワシントンホテル椿山荘で開かれた(写真=記念のリーフレットなど)。株主やスポンサー、番組出演・協力者など230人が出席した。
招待客の数と顔ぶれを見て思ったことがある。FMいわきはこの20年間でいわきのコミュニティメディアとして定着した。とりわけ、東日本大震災時に公共災害放送の役割を果たし、安否情報・生活情報を発信し続けて、市民の心のよりどころになった。以来、「いわきに欠かせないメディア」という認識が市民の間に深まった。それが、これだけの人の参加となったのだろう、と。
地域紙に身を置いた人間から言えば当たり前のことだが、東日本大震災を機に、「日本のメディアは3層構造」ということが認識されるようになった。
山田健太専修大教授が『3・11とメディア』(トランスビュー、2013年)で言っている。「3・11を経て、多層的なメディアの重要性が改めて確認された。ここでいう多層の意味は(中略)主として到達エリアによる違いをさす。/具体的には、新聞でいえば(中略)、ナショナル/ローカル/コミュニティの三層構造が存在する」
テレビやラジオも変わらない。ナショナル放送(キー局)があり、ローカル放送(ラジオ福島)があって、コミュニティ放送(FMいわき)がある。渡辺弘社長はあいさつのなかで、AM放送のラジオ福島がFM化を進めていることを挙げながら、競争と協力といった意味のことを話した。あとで調べたら、AM放送のFM化は災害時の難聴解消対策だという。
FMいわきも災害時の市民への情報提供を目的に、難聴地域の解消を図るため、いわき市内山間部を中心に13中継局を設置した。双葉郡広野町の北、楢葉町にも中継局が設けられた。市民に身近なローカル・コミュニティメディアは東日本大震災後、災害放送機能を強化した。そのことを再確認するつどいでもあった。
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