2016年12月9日金曜日

シモネタネギ

 おととい(12月7日)のNHK・あさイチは「旬だからネギの特集」だった。群馬の「下仁田(しもにた)ネギ」が登場した。
 震災前、鍋用のネギを探しにスーパーへ行ったときのこと――。カミサンが「下仁田ネギ」を指さして、「『シモネタネギ』がある」といった。「シモニタ!」と注意すると、笑ってごまかした。

「下仁田ネギ」をちゃんといおうとすればするほど、人は“下ネタ”に呪縛されるらしい。番組のレポーター(女子アナ)がやはり、一回「シモネタネギ」とやった。わざわざ字幕に間違いが表示された。「いうかもしれない」と待っていた視聴者が多かったのだろう。私とカミサンも「やっぱり」と大笑いした。

 ま、それは本題ではない。冬ネギは加熱すると甘くなる。甘さがネギの本領だ。下仁田ネギのほかに、深谷ネギ(埼玉)や平田赤ネギ(山形)、仙台の曲がりネギ、山口のふくネギ(フグ専用の小ネギ)、やぐらネギなどが紹介された。

 いわきの山里、夏井川渓谷の隠居で地元の昔野菜・三春ネギを栽培している。スーパーへ買い物に行ったとき、珍しいネギがあると、味を確かめたくて手に入れる。先日は高知の「やっこネギ」を買った。アサツキやノビルに似た小ネギで、山口のふくネギに近い。「ねぎま」にしたら、シャキシャキしてうまかった。

 師走に入れば、郡山市の阿久津曲がりネギがヨークベニマルに並ぶ。日曜日(12月4日)、夏井川渓谷の隠居からの帰り、好間の系列店をのぞいたら、曲がりネギがあった。2束を買った。

 おとといは、マルトで下仁田ネギに出合った。あさイチの影響もあって、夜、鍋物にした=写真。下仁田ネギはすぐやわらかくなる。やわらかくなりすぎたようだった。

 わが家では、原発震災前までは甘くてやわらかい三春ネギの“自産自消”を続けてきた。震災後は菜園を含む隠居の庭が全面除染された。自家採種のサイクルを途切れさせるわけにはいかない――そう決めて、種だけは毎年採っている。味わうどころではない。来年(2017年)こそ、種も味も、といきたいものだ。

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