おととし(2016年)1月中旬、いわき地方を暴風雨が襲った。県道小野四倉線で土砂崩れが発生し、小川町塩田字平石地内から田村郡小野町夏井地内まで、渓谷を中心に42キロ区間が全面通行止めになった。土砂崩れ現場は渓谷ではなく、平地から渓谷へと分け入ったばかりの小川・高崎地内のガケだった。
コンクリート吹き付けをした上からワイヤネットが張られている。そのモルタルが土砂とともに一部剥落した。やがて片側だけで通行が再開された。
2年たった今年、片側交互通行のまま工事が始まった。車の落石被害を防ぐために、ガケ側に鉄板が打ち込まれた。ワイヤと古いモルタルをはがしてのり面がカットされる。井形が組まれ、コンクリートが吹き付けられる。縦・横が交差するところにアンカーが打ち込まれる。その打ち込み用の重機だろう。
90度に近い急傾斜だ。人が乗って操作できる場所ではない。なんという機械なのか、ネットで検索したらあった。
「アンカーロックマシン」。忍者よろしく人間がガケの上から垂れたロープにつながれて作業する。それと同じように、上から強靭なワイヤで支えられた重機らしい。写真を拡大すると、重機はキャタビラ式で操縦席のようなものはない。リモコンで動くのだろう。
改修後もガケには凹凸が残る。その凹凸に合わせて這い上がり、横に動き、下りて上がる――。最初に見たのは3月11日。その1週間後には右端の方に止まっていた。作業は間もなく終了という感じだった。
鉄道マニアでも重機マニアでもないが、こういう想定外の風景には引かれる。世界には、庶民の想像力=創造力をはるかに越えてモノをつくりあげる人たちがいる。おもしろいものだ。
話は変わるが、けさ(3月27日)、庭のプラムが開花した。きょう、一気に満開になるだろう。ソメイヨシノも開花が早まるのではないか。
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