2018年3月14日水曜日

アライグマがすみついた?

 日曜日(3月11日)の夏井川渓谷。「梅前線」はわが隠居の隣、錦展望台にまで到着していた。隠居の庭の梅はまだつぼみだ。門のそばにアセビの若木がある。こちらは花をつけ始めていた=写真。暖冬だと1、2月には咲き出す。今年(2018年)は遅い。でも、年輪を重ねた県道沿いのアセビはけっこう開花していた。
 その日午後、住民が自宅の敷地内につくった“コミュニティスペース”兼カラオケハウスで寄り合い(区の総会・懇親会)があった。連絡がきて参加した。震災後は初めてだ。4月のアカヤシオの花見を兼ねた「春日様」の祭礼と合わせ、渓谷の自然と人間の関係を具体的に知る絶好の機会だ。今回もびっくりする話を聞いた。
 
 アライグマがすみついたらしいという。至近距離で住民が目撃した。「タヌキではなかった。尾に輪っか(黒い横縞)があったから」(映画「アラモ」でジョン・ウエインがかぶっていた尾っぽ付きの毛皮の帽子を思い出す)
 
 アライグマは北米原産。近年は飼い主が捨てたり、自分でケージをあけて脱走したりして野生化し、全国で問題になっているという。いわき市では平成18(2006)年に生息が確認された(市のホームページ)。ハクビシン同様、屋根裏への侵入による糞尿などの生活環境被害が出ているそうだ。防除対象の外来生物が渓谷に現れ、すみつき、繁殖を始めたとしたら、コトだ。
 
 渓谷へ通いはじめてから23年。侵略的な外来生物をいくつか見てきた。セイタカアワダチソウは一度、岸辺のヨシ原が刈り払われ、稜線の送電鉄塔を高くするための資材置き場になったあと、生えてきた。これは、すぐヨシ原が復活して姿を消した。
 
 アレチウリは、種が風で飛ばされてきたか、上流から流れ着いたかして一部に繁殖している。のり面の種子吹きつけ工事では、イタチハギが生えてきた。籠脱け鳥のガビチョウも留鳥化して、谷間にやかましい声を響かせている。そして、今度はアライグマだ。生態系の攪乱がやまない。

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