アケボノツツジを見てすぐ思い浮かんだのが、いわき市の夏井川渓谷に自生するアカヤシオだ=写真(2015年4月4日撮影)。同時に、大久川・三ツ森渓谷のアカヤシオ、いわきの北隣の町にあるという“アケボノツツジ”のことも。
前にも触れたが、いわき地域学會図書5『夏井川流域紀行』(1989年)に、いわきの植物学の先生・湯澤陽一さんが書いている。
アカヤシオとアケボノツツジは変種関係にあるが、「残念ながらアケボノツツジは東北地方はもちろん、関東地方にも産しない。(略)紀伊半島を北限とし、四国・九州に分布する暖地系の植物だ」
「アカヤシオは花柄にみつに腺毛があり、雄しべのうち半分の5本に白毛がある。アケボノツツジは、すべて無毛なので、この点に注意すれば簡単に区別できる」
ざっと30年前、年に何回か日曜日に花を観察する「山学校」が開かれた。湯澤さんが先生だった。いわき、あるいはその近辺に自生するのはアカヤシオであって、アケボノツツジではない――単に方言で「岩ツツジ」と言っていたころ、湯澤さんに話を聴き、文章を読んで、胸に刻んだことだ。
祖母山のアケボノツツジのテレビを見た翌朝、庭に出たら、プラムが開花していた。冬の背広で出かけようとしたら異様に熱がこもる。あわてて夏の背広に着替えた。夕方、街から帰ってくると、プラムの花は満開に近かった。
街ではハクモクレンの花が咲いていた。平中央公園のソメイヨシノも咲き出した。すると、夏井川渓谷のアカヤシオも――。パソコンを開けてフェイスブックをのぞいたら、渓谷に住む友人が「アカヤシオが咲きだした」と伝えていた。
この週末、平地ではソメイヨシノ、渓谷ではアカヤシオがピンクの花をいっぱい付けていることだろう。
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