きのう(3月14日)の続き。夏井川渓谷の小集落で区の総会があり、終わって懇親会に移った。雑談の中で聞いた言葉が今も耳に残っている。「国有林で伐採が行れている。母成(ぼなり)林道の奥に行ったら、ハゲ山だった。“山抜け”が心配だ」
3月11日、日曜日。朝、渓谷にある隠居へ向かうと、道端に伐り出したばかりの杉の丸太があった。その一角で伐採が始まったらしい。懇親会で話に出た場所は、しかし、それとは別の、ひとつ隣の沢の奥だった。
夏井川と並走する県道小野四倉線沿いに小集落が点在する。V字谷だから山が家に迫り、谷が深い。土石流の警戒区域に指定されている沢もある。わが隠居がその区域に入っている。
用があったので、夕方、懇親会を途中で抜けたあと、江田から横川へ母成林道を利用して帰った。渓谷が落石などで通行止めになると、同林道が迂回路になる。東日本大震災のときがそうだった。今は年に一度くらいしか通らない。ハゲ山の話を聞いたからには見ておかないと――。峠付近の斜面がハゲ山になっていた=写真。
磐城森林管理署のホームページで確かめる。去年(2017年)7月、入札が行われた。スギ・アカマツ・モミ・クリ・ミズナラ・コナラ・ホオノキ・サクラなどの皆伐事業だった。県道沿いの現場は10月に入札が行われた。
「あそこはマサ土だから」。マサ土は花崗岩が風化してできた砂のことで、もろくて崩れやすい。それで、地元の人間は“山抜け”、つまり土砂崩れを心配しているのだ。
水源かん養保安林が“5円ハゲ”のようにあちこちで皆伐されると、やがては沢の下流の集落に影響が出てこないか――そんなことを思いながら、先日のあらしで杉の落ち葉が延々と続く林道を抜け、国道399号を利用してマチへ戻った。
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