庭のジンチョウゲの花が咲き出したと思ったら、夏井川からハクチョウの姿が消えた。わが生活圏内の越冬地、平・塩地内には極寒期の1月中旬、ハクチョウが150羽ほど羽を休めていた。きのう(3月7日)夕方、堤防を通ったら1羽もいなかった=写真。
日が長くなるにつれて数が減っていた。そろそろだなと思ってはいた。冬から一気に初夏がきたような日曜日(3月4日)の暑さには、羽毛をまとっているハクチョウもこたえたろう。そのときには十数羽になっていた。
ハクチョウがいきなり姿を消したときがある。7年前の2011年3月11日午後2時46分、東北地方太平洋沖地震が発生する。その数十分後、津波が夏井川をさかのぼってきた。まだ去りかねていたハクチョウたちが波に驚いて一斉に飛び立った。
毎日、ハクチョウにえさをやっていたMさん(故人)から聞いた「ハクチョウたちの3・11」だった。対岸の山寺にいた次男の同級生も、夏井川をさかのぼる津波を目撃している。
3・11は文字通りの「天変地異」だった。北帰行の時期に変異を察知し、いのちの危険を感じたからこそ、ハクチョウはそのまま飛び去ったのだろう。が、秋にはいつものように飛来して、鳥見人(トリミニスト)を安心させた。
以来、ハクチョウの北帰行は、この3・11が目安になった。3・11より早い・遅い――そう比較しながら、ハクチョウの姿が消えた日を記録する。
ただ、最初に現れた日と違って、最後の1羽が飛び去った日を確定するのは難しい。北上中のハクチョウが南からやって来て、一時羽を休めることがある。1回か2回はそんなことを繰り返す。で、個人的にはとにかく最初に姿が消えた日を北帰行の日と定めている。
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