すぐ確かめる。風呂場の軒下近く、地上2メートルほどのマサキの枝に径7センチ、長さ10センチほどの「逆とっくり」があった=写真。常緑の葉を雨除けにしている。外観は陶器の「練り込み」といった感じ。手のひらにのるくらいの小ささだ。見た目はかわいい。
ところが、どうもそのままではおさまりそうにない。ネットで調べたら、コガタスズメバチだ。女王バチが材料を集めて「逆とっくり」をつくったあとは、働きバチが生まれてこの「逆とっくり」を覆い、最終的にはバスケットボール大の球形になるらしい。
巣が大きくなる様子を観察したい、このままにしておこう。最初はそう思ったが……。生け垣のそばを奥の家の人が通る。カミサンが知人にハチの巣の話をすると、「近所迷惑になるよ」と忠告された。
カミサン自身も15年ほど前、夏井川渓谷にある隠居で草むしりをしているうちに、キイロスズメバチに刺された。痛みが引かないので、いわき市立総合磐城共立病院内にある救命救急センターへ連れて行った。「今度刺されたら救急車を呼んでください」といわれている。庭木の剪定中にまたチクリとなれば、アナフィラキシーショックを起こしかねない。
夕方、ちょっと離れたところから観察していると、1匹のスズメバチが巣に戻ってきた。これが女王バチか。この時点では、働きバチはいそうにない。少したってハチが飛びたったあと、思い切って枝ごと除去した。戻って来たハチは、あるべきところに巣がない、どこだ、どこだといった感じで生け垣の内外を飛び回っていた。かわいそうだが、しかたがない。人間界に近づきすぎていた。
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