年度後期初日の10月1日は、毎年、回覧資料を配るのに神経を使う。戸建て住宅と違って、県営住宅=写真=は絶えず人が動いている。そのためなのか、半期ごとに隣組の班長が替わる。どの部屋に回覧資料を届けたらいいのか、わからないときがある。
9月の早い段階で後期班長名・電話番号・世帯数を確認するための資料配布編成表を配る。ほとんどは30日の締め切り前に届くが、電話番号がなかったり、「〇号棟〇号室」が抜けていたりする。編成表がちゃんと仕上がるまでには時間がかかる。
ある隣組では、年度初めに前期と後期の班長名を知らせてくる。しかし、編成表が戻ってこないので、部屋の番号がわからない。きのう(10月1日)は朝、たまたま表へ出てきた年配の知人(区の役員経験者)に部屋の番号を聞いて資料を届けた。「4階は大変だよ」。その通りだった。
3階建てと4階建てが計8棟ある。これを3ブロックに分けて、それぞれから区の役員を出してもらう。ところが、数年前からなり手がいない。1人が欠員状態のために私が3棟分を兼務している。3階、4階に班長さんが住んでいると、階段の上り下りで息が切れる。
知人とのやりとりを、向かいの棟の新班長さんが見ていたらしい。車から資料を持って向かおうとすると、2階の窓から声がかかった。「ここですよー」。こちらの隣組は、新班長の電話番号は書いてあったが、部屋の番号は空白だった。で、前日宵に電話をかけて部屋の番号を確かめた。
一度、区の役員になってくれないかと、訪ねたことがある。「次回からはドアのポケットに差し込んでおきますから」。会ってあいさつをし、そんな話をできたのはよかった。
ほかの役員さん宅も含めて、配布作業は小一時間で終わった。あとは自分の時間だ。午後には中央公民館で「キノコの文化誌」の1回目のおしゃべりがある。その準備をしているところへ、電話がかかってきた。最初に紹介した隣組の前期班長さんだった。まだ編成表が戻って来ない、新班長は間もなく退出する、後任は向かいの部屋の人に決まった――。のけぞってしまいそうな話だ。
コミュニティは絶えず流動している。回覧をよく読まない人、滞ったままにしておく人、区内会を抜けた人……。人の性格も、隣組のつきあい方もそれぞれ。完璧はありえない。
しかし、その不備をどう補うか。それぞれが助け合い、役割を分担してくれれば、問題は小さい芽のうちに摘み取ることができる。あいさつする程度の関係でいい。知り合いが多ければ多いほど、知恵もふくらむ。今回はそうした関係のなかで、無事、回覧資料を届けることができた。
この日、消費税が8%から10%にアップされた。朝の回覧資料配りから午後の市民講座と続いて、あっという間に一日が終わった。まだ買い物はしていない。
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