2019年10月20日日曜日

台風19号⑧川中島が消えた

 自称「夏井川ウオッチャー」だ。40年近く川の流れを見ている。川の水位が下がった木曜日(10月17日)早朝、コンビニで資料のコピーをしたあと、思い立って約5キロ先の海まで車で行ってみた。
いつもそうするように堤防を利用した。河川敷にあるソメイヨシノは枯れ枝や枯れ草、ビニール片などがからまって、上流側半分が“わらぼっち”になっている。いわき市北部浄化センターの排水口付近は、大水が引くと流木その他のごみで河川敷のサイクリングロードがふさがれる。今回は延々と50メートル近く、残留ごみの山ができていた=写真上。川をウオッチングしてきたなかでは、最長・最大の量だ。

夏井川の河口はたびたび、海砂が溜まって閉塞する。四倉を流れて来る支流・仁井田川と本流・夏井川は河口近くでつながっている。仁井田川の流れが大水でじかに太平洋へ抜けて以来、本流の河口閉塞、仁井田川とつながる横川への逆流が常態化した。今度はさすがに本流も太平洋へと河口が開けていた。しかし、時間がたてばまた海からの堆砂で閉塞する。

河口近くにハクチョウが3羽休んでいた。10日前の拙ブログでこう書いた。「月曜日(10月7日)には猪苗代湖にハクチョウの第一陣が飛来した。去年(2018年)より2日早い。すると浜通りの南端、いわき市の夏井川にやって来るのは来週後半、17日前後か」。図星だ(と、そのときは喜んだ)。ハクチョウ飛来の有無を知りたくて、堤防に立ったのだから。

しかし、これはあとでぬか喜びとわかる。撮影データをパソコンに取り込み、拡大すると、国内のどこかで生まれ、夏井川河口に現れたコブハクチョウだった。扱いとしては「漂鳥」か。

ハクチョウを見た勢いで上流の越冬地、新川と夏井川の合流点(平・塩地内)へ向かう。台風19号の大水の影響で、密生していた岸辺のヤナギが流され、河川敷全体がスカスカになっていた。中神谷から塩地内に入るあたりの浅瀬でハクチョウが2羽、草をつついていた=写真右。こちらはデータを拡大してコハクチョウとわかった。予想した日に初飛来を確認した。

普通のカメラでは大型の水鳥もケシ粒にしか写らない。午後、街へ行くついでに望遠カメラを携行したが、ハクチョウの姿はなかった。生き物は、いや自然は一期一会。定着するまでにはまだしばらく時間がかかる。手帳に「10月17日、ハクチョウ初認」と書いて、のちのちの記録とする。

ついでに、塩の上流、平・鎌田の川中島についても記しておく。前日、街からの帰りに見たら、軍艦のように肥大していた川中島が、水面ぎりぎりまで大水で崩され、姿を消していた。ビフォー(2015年7月14日撮影)・アフター(2019年10月17日撮影)の写真を下に載せる。今度の大水の威力がこれからもわかる。
鎌田からさらに1キロほど上流の平・幕ノ内では97歳の女性が流され、行方不明になった。警察や消防が連日捜索した結果、16日午後3時前、鎌田の左岸河川敷で遺体となって発見された。テレビも新聞も匿名で報じた。

あとでネットを探ったら、読売の記事に実名が載っていた。ん? 学校の後輩と同じ珍しい苗字だ。まさか。長男も一緒に流されたが、助かったという。後輩は次男だ。匿名報道のときには感じなかった切なさ・やりきれなさ・悲しさが急にわきあがってきた。

新聞やテレビが伝える死は、基本的に個別・具体でなければならない。でないと、「災害の検証」もできないし、「将来への教訓」にもならない。死から学ぶべきこと・ものがある。匿名では単に「死者〇人」と数字が膨らんで終わりだ。実名だからこそ感情が揺さぶられ、その瞬間を想像して、なぜ、どうしてという思いがめぐる。しかし、後輩に確かめる気にはなれない。

2 件のコメント:

波乗りうさぎ さんのコメント...

ご無沙汰しております。
地域学會 会員酒井です。
昨日よりいわき入りし、本日は社会福祉協議会斡旋で、北目で泥搔き作業やらせてもらってます。
基本的に15時までしか作業できないようなので、
それ以後、お手伝いできるところがあれば行きますが、どこかお手伝いできるところはありますか?
ちなみに、福島市から水タンクをいっぱい持ってきました。

タカじい さんのコメント...

返事遅れましたが、酒井クン、ありがとう。10月22日午前11時ごろ、神谷も水がチョロチョロ出るようになった。