季節外れの暑さの中で“仕事”を三つした。まずは、朝8時半から1時間、近所の公民館で清掃奉仕作業を。公民館を利用するサークルや、地元の区長協議会その他から数十人が参加した。立っているだけで汗がにじむ。それでも、時折、強く吹く北風が体のほてりを抑えてくれる。座ったり立ったり、掃いたりすくったり……。ふだんは使わない筋肉がびっくりしていた。
終わるとすぐ着替えて、小川のいわき市立草野心平記念文学館へ。10時半からの事業懇談会に出席した。
この日はちょうど、秋の企画展「草野心平と粟津則雄」が始まったばかり。粟津さん(92)は日本を代表する文芸評論家で、平成10(1998)年の同文学館開館から今年(2019年)3月まで、20年余り館長職を務めた。4月には名誉館長に就いた。企画展では、公私にわたる2人の交遊に光を当てた。図録=写真上1=が充実している。
最後は区の役員会。帰って一休みしたあとの、宵の6時から開かれた。秋のいわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動に合わせて、「清掃デー」の10月20日早朝、区民総出で家の周りをきれいにする。側溝の泥上げもする。その段取りなどを確認した。
「年寄り半日仕事」を自分流に解釈すると、「年寄り一日一仕事」になる。“仕事”が三つ重なると、さすがにきつい。そんな日だったからだろうか。縁側で陰干ししている鷹の爪=写真上2=が目に入ったとたん、口元が緩んだ。
夏井川渓谷の隠居で栽培している三春ネギは、長梅雨と日照不足で大半がとろけてしまった。が、2株植えた鷹の爪は耐えて花を咲かせ、実をつけて、赤く熟してきた。
隠居へ行くたびに赤い鷹の爪を摘んで持ち帰り、陰干しをする。その数が増える。つやつやに輝いていた赤が、乾いてしわしわの地味な赤に変わる。冬の白菜漬けに入れる鷹の爪がそれで確保できる。余れば、刻んで擦りつぶし、「一味」にできる。必要なものが確保できた喜びと安心感が、あれこれ夢想を誘う。
「真っ赤なかわいい鷹の爪ちゃん」。日曜日の土いじりの効用が、めぐりめぐって忙しい日にあらわれた。日曜日の今朝はしかし、雨。
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