2019年10月15日火曜日

台風19号③「水害ごみ」

 きのう(10月14日)、カミサンが近所の茶飲み友達のおばあさんを訪ねると、怒りをぶちまけられた。
 台風19号が襲来する前、「『避難しろ』『避難しろ』と何度もメールがきたけど、どこへ避難したらいいかわからないじゃない? まして、土砂降りの真夜中になってからは(デイケアへ行っている)夫を車に乗せるだけでも大変なのに」。避難所開設と増設の広報はあったが、見落としたのだろう。ホコ先は市役所だけでなく、区長にも向けられた。批判は甘んじて受けるしかない。

 避難情報と同様、断水情報もちゃんと届いてはいなかった。どこへ行ったら水が手に入るのか、わかっていないから水の蓄えも十分ではない。

最寄りの給水所は平六小だが、場所を教えたからそれでよし、とはいかない。おばあさんが持てる水の量は限られる。おばあさんの家のポリタンクを車に積んで、カミサンと小学校へ出かけた。ざっと70人が並んでいた。1人1分として、1時間はかかる。

そばの若い父親がどこかとケータイでやりとりし、「裏ワザを使う」(親戚の家に行って水をもらう)といって列を離れた。ん!そうだ。私らも裏ワザを使おう。きのうに続いて、カミサンの実家(平・久保町)へ行って水をもらった。

実家は、いわき駅裏から続くお城山の西麓にある。そばを好間江筋(農業用水路)が流れている。地理院地図で確かめると、標高10メートルよりはちょっと高い。その江筋を境にして明暗が分かれた。

お城山の一角、磐城高校のある高月や八幡小路からJR磐越東線の桝形踏切まで、長い「イナッシャマ(稲荷様)の坂」が続く。その鍋底に近い江筋の下手、久保町の一部から下好間字浦田、渋井、鬼越一帯が冠水した。ここだけで人家や事業所の数はどのくらいになるか。

きのうに引き続き、被災住民が水につかった家電製品や疊、衣類、家具の運び出し、泥のかき出しなどをしていた=写真上。道の両側にはそれら「水害ごみ」が点々と積み上げられていた=写真下。ひとつ丘を越えた北の赤井と平窪でも、多くの家屋が浸水した。水害ごみも膨大なものになるだろう。
  断水は約4万5400戸、いわきの世帯数の3分の1だ。浸水家屋は? きょうの未明に更新されたいわき民報ホームページの記事によると、床上・床下浸水8000戸超。断水も浸水もたまげるような数字だ。記事には災害ボランティアセンターがきょう発足する予定、ともあった。

まだまだ家の片付けができていない家がある。水の確保が難しい高齢者世帯がある。被災最初期の今は、被災者が被災者を助けるレベルだが、これからはもっとボランティアの助けが必要になる。

0 件のコメント: