中塩の道沿いに、知人の娘さんの家がある。台風で床上浸水をした。夫婦ともう1人で片付けをしていた。片付けの邪魔になってはまずい――気にしながら顔を出した。1階はほぼ水没状態だった。「(見舞いに)来てくれただけでうれしい」。そういってくれる。
週末の大雨で夏井川が氾濫した小川町関場地内は、国道399号沿いに限っていえば、水害ごみなどは確認できなかった。平地から段丘の高崎に入ると、JR磐越東線が崖の上を走る。その下の沢から滝のように勢いよく水が落下し、道路にあふれていた=写真右。これでは磐東線もなかなか再開できないだろう。
その先、渓谷の道路は障害物が除去されたために、わりとスムーズに通行できた。山側は崖と沢が連続し、道端の木々で視界が遮られていた沢の砂防ダムなどが土石流のためにむき出しになっている=写真下。
大雨は、ヤマよりもハマを直撃した。前にも書いたが、25日の降水量はハマの小名浜で193ミリ、ヤマの川前(夏井川渓谷の上流部)では3分の1の62ミリだった。小名浜で176ミリ、川前で229ミリと、いわき全域が豪雨に見舞われた台風19号のときよりは、ヤマは穏やかな降り方だった。
帰りは夏井川の右岸域に渡り、平・赤井の友人宅を見舞った。台風で浸水すると、すぐ仲間が片付けに駆けつけた。水に浸かった家具は廃棄し、室内をきれいにしてくれた。おおむね浸水前と同じような環境を取り戻していた。絆の力だ。
中平窪の夏井川に渡ってきたハクチョウが田んぼから川へ戻る時刻だった。「そろそろ見られるかも」。そのとおりになった。閼伽井嶽をバックに、西方の田んぼからハクチョウが3羽、4羽と連れ立って飛んで来る=写真上3。友人の家の上空を通過しては夏井川の方へ去る。浸水見舞いに行ったのに、ハクチョウの写真を撮るのに夢中になってしまった。
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