2019年10月7日月曜日

三春ネギの種がおかしい

同じ昔野菜でも、いわきの平地の「いわき一本太ネギ」は4月10日、山地の「三春ネギ」は10月10日に種をまく。それぞれの生産者から教えられた。前者は春まき、後者は秋まき。両者にはぴったり半年のズレがある。
夏井川渓谷の隠居の庭で三春ネギを栽培している。去年(2018年)は、種がいっぱい採れた。秋にまいてもたっぷり残った。ネギの種は、冷蔵庫に入れておけば2年は持つ。発芽率もそう変わらない。

今年はどういうわけか、ネギの開花が遅れた。採れた種も、ネギ坊主の数の割には少なかった。結局、去年の種が眠る小瓶に加えて、冷蔵庫で保管した。

三春ネギの種まき日から逆算して、9月下旬から10日ほどの間に、苗床用の土をほぐし、石灰をまいて肥料をすきこむ。

今年の10月10日は木曜日だ。最も近い日曜日は13日だが、翌日の体育の日と合わせて、世間は3連休になる。連休は避けたい。前倒しして、雨上がりのきのう6日午後、種をまいた。

その前、2日に苗床の端に1列だけ、緊急に、試験的に種をまいた。というのは、前日に冷蔵庫から小瓶=写真上=を取り出すと、なんだか様子がおかしい。黒い種なのに白っぽい色が点々と付いている。ごみ? カビ? 蓋を開けると変な匂いがした。種を手に取ったら、湿りがあって指にくっつくものがある。乾燥剤の袋の表面も濡れている。毎年、冷蔵庫で種を保管するようになってから20年ほどたつが、初めて経験する異変だ。

とりあえず種を新聞紙に広げ、一晩、軒下に置いた。朝にはほとんどが乾燥してさらさらしていた=写真下。こうなったら、6日の種まきまで待てない。試験播種を思い立って、2日に隠居へ出かけたのだった。
 発芽まではおよそ1週間かかる。6日にはなんの変化も見られなかった。残る苗床に6条ほどまき溝をつくり、種をまいた。それでも種は余った。新たに苗床2号をつくることにして、キュウリの栽培跡に石灰をまく。こうなったら、10月10日にも種をまかないといけない。そのころには、試験的にまいた種が発芽しているかどうかがわかる。

発芽しなければ、再来年の種は採れない。今年のネギも、種が採れそうなのは2本か3本だ。来年はこの3本のネギ坊主から種を採るとしても、ほんのわずかだろう。気象と土の影響だけでなく、同じ形質の株で栽培・播種を繰り返しているから、それによる劣化もあるのかもしれない。

発芽ゼロだったら、きっぱりあきらめる。来春は田村市(郡)からネギ苗を買ってくる。そもそも田村市(郡)の農家では(わがふるさとの常葉町でも)、ネギ苗を購入して栽培する。小野町で曲がりネギを生産している農家の人は、「阿久津曲がりネギ」で知られる郡山市の阿久津からネギ苗を買ってくる、といっていた。わが菜園では、曲がりネギどころか、栽培の曲がり角に直面している。

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