夏場は糠漬け、冬場は白菜漬け――。わが家では、これがメーンの漬物だ。私が漬ける。
糠漬けはあらかたキュウリ。たまにカブ、大根、ニンジンも漬ける。キュウリは自分で栽培する。知人からもお福分けが届く。それで夏の一時期、糠床はキュウリでいっぱいになる。すぐ食卓に出す分を除けば、古漬けにして冷蔵庫に保管する。その日の朝に漬けて昼、あるいは夜、食卓に出す浅漬けと、古漬けを交互に食べる。
古漬けは薄切りにして水につけ、少し塩分を減らしてからご飯と一緒にかきこむ。熟したキュウリよりは未熟なキュウリの方がパリパリして食欲をそそる。
一時は何十本とあった古漬けも、11月中旬の今は2本だけに減った。糠床に入れる野菜もない。ほかの家では冬も糠漬けをつくるというが、真冬の糠床の冷たさが耐えられない。で、師走になると糠床に食塩のふとんを敷いて冬眠させ、白菜漬けに切り替える。それを今年は半月ほど早くした。
香りづけのユズは、日曜日(11月10日)、平の中心市街地で開かれた「三町目ジャンボリー」で手に入れた。翌日、フェイスブックで道の駅よつくら港に白菜が入荷したことを知る。ユズと同様、風味と彩り、殺菌のための鷹の爪は、夏井川渓谷の隠居で栽培した。夏以降、実がなって赤く熟したのを収穫した(八つ割りにした白菜の写真に写っているのがそれ)。
必要なものはそろった。白菜も昆布もある。ということで、きのうの昼食後、甕(かめ)を出して、ユズの皮と鷹の爪を刻み、白菜を取り込んで漬け込んだ=写真上1。
さあ、あとは1週間のうちに、糠床を冬眠させる。古漬けのキュウリも食べ終える。そのころには最初の白菜漬けが食べられる――そんなことを想像しながら、座卓に足を突っ込んで休んでいたら、足カバーのヘリをうごめくモノがいる。透き通った緑色の尺取虫だ=写真上2。
ネットで調べると、ハスモンヨトウの幼虫らしい。なぜ、今、ここに? しばらく考えて、白菜とつながった。
白菜にしがみついていたのではないか。ハスモンヨトウは白菜も食害する。朝、八つ割りにしているときに、驚いて逃げ出し、私のズボンか上着に避難したのが、座卓で仕事をしているうちに、足カバーに移ったのだろう。家においてもしかたがない、ここは外へ出てもらう。これを逆から見れば、買って来た白菜は虫が付くほど安全だ、ということになる。
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