2019年11月21日木曜日

高久の円筒分水

 まずはこの写真から=写真下1。「円筒分水」という。農業利水施設だ。ウィキペディアによると、円筒状の設備の中心部に用水を湧き出させ、円筒外周部から越流・落下する際に一定の割合で水を分割する仕組みになっている。現存する全国の円筒分水が紹介されていたが、いわきのそれには調査が及ばなかったようだ。
 月曜日(11月18日)に高専の一つ下の後輩が、自分で栽培した小豆(昔野菜の「むすめきたか」)とユズを持ってきてくれた=写真下2。
月初めには落花生(「おおまさり」)のお福分けにあずかった=写真下3。その日の夕方、「おおまさり」を殻ごとゆでて晩酌のつまみにした。やわらかい。いくらでも口に入る。若い仲間が来たとき、これを出すと、殻の内部の水気をなくすには蒸したらいい、という。長持ちさせるにはそうした方がよさそうだ。次に手に入ったら蒸すことにしよう。「むすめきたか」はいずれ煮て食べる。ユズは白菜漬けの風味づけに使う。
後輩は、平の高久に実家がある。親が残した田畑を守るために、家族と離れて“単身帰農”をしたらしい。30分ほど茶飲み話をした。

 高久には田んぼに水を行き渡らせるための円筒分水がある。愛谷堰土地改良区が管理している。「円筒分水で引いた水を使ってコメをつくってるのかい」「そうです」「あれはおもしろい農業施設だよな」。うまく自然の力を利用して湧出させている。勝手に流量を変更できない。そこから円筒分水にまつわる話になった。

若いフェイスブック友が今年(2019年)6月下旬に写真をアップするまで、円筒分水を全く知らなかった。どこにあるのかを聞いて、次の日、現物を見に行った。県道下高久谷川瀬線沿いの「馬場鶴ケ井」バス停そばにあった。昭和42(1967)年に築造された。ネットの情報では、規模的には小さいのだそうだ。

 円筒分水のある字名が馬場。県道をはさんだ一帯をいう。鶴ケ井はその南方、滑津川を軸に広がる水田の奥、U字形の丘陵に囲まれた小地域を指す。そのどんづまりにカミサンの父親の実家がある。

円筒分水のそばに立て札があった。5~9月の「江水地区割日程」表だった。「近年、番水日を守らない分水口が見受けられますので、一部の分水口を施錠致します。番水日を厳守して下さい。また、臨時水路看守員の指示にも従って下さい」。後輩に実態はどうなのかを聞いた。詳しい話はしなかったが、「我田引水」という言葉が耳に残った。

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