2023年11月11日土曜日

ヒラメの粗汁

                     
 日曜日(11月5日)にいつもの魚屋さんへ行く。「そろそろ終わりかな……」。なかったらなかったで、別のものにすればいい。マイ皿を出すと黙って受け取った。カツオがある証拠だ。

 カツオの刺し身をマイ皿に盛ったあと、「ヒラメの粗があります」。「いいね」。久しぶりに粗汁の材料が手に入った。

 「ヒラメの粗にはタマネギと油揚げかな」。カミサンがつぶやくので、「曲がりネギでもいいのでは」。私がいうと、若ダンナが応じた。「私はネギです」。これで決まりだ。

 曲がりネギは、小野町のNさんが紅葉の時期だけJR磐越東線江田駅前に設ける直売所で手に入れた。

カツ刺しのほかに、曲がりネギの入ったヒラメの粗汁=写真=が晩酌の一品として出てきた。

前はカツオの粗汁しか知らなかった。若ダンナがいろいろ勧めるので、タイやヒラメ、ホウボウ、スズキと試して、粗汁観が変わった。

いつの間にか「脱カツオ」になり、それを知った若ダンナが、ヒラメやスズキ、マダイの粗があれば、声をかけるようになった。

カツオの粗汁は濃厚だ。スズキはさっぱりして上品な味がする。ヒラメはさらにその上をいく。

ホウボウの粗汁は東日本大震災の前に一度だけ食べた。もしかしたら、これが一番好きかもしれない。

 粗汁のあれこれが脳裏をよぎると同時に、思い出したことがある。そういえば、「ひらめの陣」というものがあったな――。新聞記事の記憶を手がかりに、いわき市のホームページで確かめる。

「常磐もの ひらめの陣」。11月の1カ月間開催しているという。参加飲食店でヒラメを食べ歩き、スタンプを集めると、湯本温泉宿泊補助券などが当たるイベントだ。

 ヒラメは刺し身と粗汁しか知らない。どんな食べ方があるのか。参加9店舗のメニューが写真入りで紹介されている。

 切り身塩焼き・あぶりヒラメのカルパッチョ・ごま茶漬け・てんぷら・ソテー キノコのバルサミコソース・天丼・味噌だれ炙り……。ヒラメは和・洋いずれにも合うということなのだろう。

 カルパッチョは、牛肉や魚肉を生のまま薄切りにして、オリーブ油・スパイスなどで和(あ)えたイタリア料理だ。

 真冬は、さすがにカツオの入荷はない。代わりにヒラメやタコ・イカの刺し身を口にする。

そのとき、ヒラメを何切れか皿にとって、オリーブ油とスパイスで和えればカルパッチョになる?

対面販売の個人営業の店だからこそ、魚種による調理法、食べ方など、こちらの知らないこと、足りないことを教えてくれる。

 そのうえで、こうした「ひらめの陣」のイベントをヒントに、家庭でも味わえるカルパッチョに挑戦してみようか、という気にもなる。

オリーブ油も、スパイスも手元にある。カツ刺しが終わってヒラメの刺し身が手に入ったら、試してみよう。

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