2023年11月13日月曜日

ネズミと石けん

                              
 浴室の洗面器にオリーブ石けんが置いてある。ある日、石けんが下の簀の子(すのこ)に落ちていた。前にもおかしなことがあった。犯人はたぶんネズミ。

 洗面器のそばの壁にはメッシュパネルが架かっている。そこに大小さまざまな物入れが掛けてあって、コップや歯磨き粉、ピンクの石けん、ブラシなど雑多なものが置いてある。

 その物入れの一つに洗面器の石けんを皿ごと移すと、また消えた。ピンクの石けんもなくなっていた。

洗面器とパネルの間には少し距離がある。ネズミは壁をはいのぼりはしないだろうと、タカをくくっていたのがいけなかった。

 石けんはどちらも家庭用の並型マッチ箱ほどの大きさだ。くわえて運ぶにはでかすぎる。かじっているうちに動いて落下したのだろう。

簀の子と壁の間にはすき間がある。簀の子をはずすと、コンクリート張りの床に二つの石けんがあった。やっぱり。

現実のネズミは、いわむらかずおの絵本のように、物をかついで二足歩行をするようなことはしない。

そういえば……。先日は、家の縁側に居ついた「さくら猫」がネズミをくわえて玄関に現れた。別の日にも庭でネズミをくわえたり、放したりしていた。

それだけではない。夏井川渓谷の隠居の畑から摘み取ったシソの実を持ち帰り、笊(ざる)に入れて台所のかごの上に置いたら……。朝、笊が90度反(そ)ってシソの実が床に散乱していた。

 どこから侵入してくるのだろう。自分のブログを検索したら、3年前の10月にこんなことを書いていた。

――朝、庭に出て歯を磨いていたら、柿の木の下の草陰で動くものがいる。モグラ? いや、違う。落下して色づいた柿の実を見つけると、かじり始めた。ときどき立ち上がっては、隣家の方を警戒する。それを繰り返したあと、草陰に消えた。耳が丸い。小さなネズミだった。

カミサンがその何日か前、台所の外にある縁の下の通気口にネズミが入り込むのを目撃した。

入り込めるくらい小さいネズミだとしたら、ハツカネズミ?(ヒメネズミでは?というコメントも入ったが、なんとも判断がつかない)。

 それで思い出したことがある。前年(2019年)の台風19号を境に、わが家の番兵よろしく縁側で休んでいた老齢の野良猫が姿を消した。

すると、ネズミが茶の間と台所をうろちょろするようになった。日中、それもわが家の内外でネズミがわがもの顔で動き回っているのを見るのは初めてだった――。

さてさて。石けんはタッパーに入れて、フタをしておくことにした=写真。あとは駆除対策を考えないといけないが、ここはひとつ「さくら猫」にも頑張ってもらうことしよう。

 それでこちらがすり寄っていくと、パッと跳ねるように逃げていたのが、動じなくなった。そのうちズボンに体をすりつけて「ごろにゃん」を始めるかもしれない。

それでもかまわない、ネズミを退治してくれるなら、と都合よく解釈することにした。

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