2023年11月20日月曜日

11年前の新聞切り抜き

           
 用があって、共同通信社発行の『記者ハンドブック――新聞用字用語集』(2011年、第12版)をパラパラやっていたら……。裏表紙のウラに古い新聞切り抜き=写真=がはさまっていた。

 平成24(2012)年8月2日付のいわき民報で、見出しに「ツキノワグマの足跡確認 川前町上桶売」とあった。

 「川前町上桶売字大平地内の畑周辺にクマの足跡があると、7月31日、市川前支所に通報があった。県、市、鳥獣保護員などが確認した結果、足跡がツキノワグマのものと確認された」

 そんな書き出しで、記事は出没頭数が1頭、体長が1メートル程度と推測されること、「近隣町村でも目撃情報があることから、同地区を生息域とする個体ではなく、周回中の個体」らしいことを伝えている。

さらに、いわき市内の過去の「クマ」関連情報として、平成18(2006)年・三和町上市萱、同22年・田人町旅人、同23年・三和町下市萱で、「足跡のようなもの」や「クマのものと思われる痕跡」が見つかっているが、断定には至っていない、としている。

このとき、「夏井川渓谷の隠居からは、車で20分ほど山に分け入ったあたりだ。隠居に回覧チラシ『クマにご注意』が差し込まれていて、クマの出没場所が近いことを実感した」と、ブログに書いている。

切り抜きを読んでからわずか2日後の11月18日朝、X(旧ツイッター)をのぞくと、いわきで「クマのふんのようなもの」発見の文字が目に留まった。

 TUF(テレビユー福島)がニュースとして報じた。それによると、11月5日、遠野町深山田地内で市民がクマの「ふんのようなもの」を発見し、写真を県に送った。県の自然保護課が「クマのものの可能性がある」と確認したという。

 18日付のいわき民報で詳細がわかった。5日だけでなく、14日にもふんらしいものが見つかった。どちらのときも発見者は県に通報したが、写真を送ったのは14日のようだ。

 遠野の深山田は鮫川流域、そこから夏井川渓谷までの間には好間川流域がある。山を二つ越える必要があるとはいえ、地続きの、しかも近場の阿武隈山系には変わりがない。

 拙ブログによれば、直近では令和2(2020年)6月11日夕方、川前町下桶売字荻地内の吉間田集会所付近で住民がクマを目撃し、翌日、直径6~7センチの足跡が確認されている。

「阿武隈の山にはクマはいない」。昔からそういわれてきたが、近年はあちこちで姿や足跡が目撃されるようになった。

深山田のクマのふんにはどんぐりの皮らしいものが混入していた、しかも2回とも(たぶん同じ)民家の庭でふんをしている。

いわきにも、クマ! いわきはやはり、マチの視点からだけでなく、ヤマの、ハマの視点からも自然とのかかわりを考える必要がある。

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