2023年11月22日水曜日

レッドリストとブルーリスト

        
  いわき地域学會の阿武隈山地研究発表会兼第379回市民講座が土曜日(11月18日)、いわき市文化センターで開かれた。

副代表幹事の鳥海陽太郎さんが「レッドリスト、ブルーリスト、天然記念物を知る――いわきに棲(す)む動植物の現況から」と題して話した=写真。

レッドリストとは「野生生物について、生物学的観点から個々の絶滅の危険度を評価し、絶滅の恐れのある種を選定し、リストにまとめたもの」をいう。

国内では環境省のほか、地方公共団体が作成している。福島県内では、県が作成した「ふくしまレッドリスト」がある。

 鳥海さんは、そのなかから自ら撮影した動植物を紹介した。絶滅危惧種はクマガイソウ・ハマナス・ミナミメダカ・キンラン・ハヤブサなど。準絶滅危惧種はイブキ・ハマボウフウ・ゲンゴロウ・ヒバリ・カジカガエル・ヤマカガシなど。阿武隈高地のモリアオガエルは絶滅のおそれのある地域個体群だそうだ。

 これに対して、ブルーリストとは「外来生物(本来自然分布をしていなかったが、人為的影響で侵入した生物)を侵入の程度に分けたリストのこと」をいう。

 前に拙ブログで福島県のブルーリストに触れているので、それを要約・紹介する。

 ――「レッドリスト」ではなく、「ブルーリスト」だという。ネットで検索すると、北海道の「ブルーリスト」が真っ先に出てくる。

それにはこうあった。「希少野生生物のリストが『レッドリスト』とされていることを踏まえて、ブルー(青色)とレッド(赤色)を対照的に捉え、外来種のリストを『ブルーリスト』と命名した」。その福島県版だから「ふくしまブルーリスト」。

福島県が今年(2023年)3月27日、県内に生息している外来種をまとめたリストを公表した。

リストに掲載される動植物は641種にのぼる。そのうち、自然環境への影響が大きい「侵略的外来種」は101種だという。

この101種は影響度の高い順から、緊急対策外来種18種重点対策外来種49種その他の総合対策外来種21種産業管理外来種13種、に分けられる――。

鳥海さんはこちらについても、自ら撮った画像をもとに動植物を紹介した。

アカミミガメ・ブルーギル・オオクチバス・アメリカザリガニ・オオカワヂシャ・オオキンケイギクなどは緊急対策外来種。ガビチョウ・ウシガエル・アカボシゴマダラ・オオカナダモ・キショウブなどは重点対策外来種だ。

キハナショウブも紹介した。キショウブとハナショウブの一代雑種とかで、存在を初めて知った。キショウブより花の色は薄いという。

 いずれにしても、外来種の分布の拡大には人間が関係している。自分の首を自分でしめている、といってもいい。

シンテッポウユリやフランスギクは、わが家に現れたら引っこ抜く。きれいでもそうしている。侵略を抑えるために。

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