2024年6月18日火曜日

アナグマ?を目撃

         
 毎週日曜日、夏井川渓谷の隠居へ行く。ちっぽけな畑だが、そこで土いじりをする。それが一番。

同時に、行くたびになにか発見がある。そこまでの道行きを含めて、1週間前とは違った変化が見える。それを知るのも楽しい。

 6月16日の朝9時半過ぎ、渓谷の手前、小川町・高崎地内で、前方右手の崖際をネコのような動物が歩いていた。

 車が近づいても動じない。止めてパチリとやった=写真。タヌキにしては体の色が白っぽい。アナグマだろうか。

 人間は車に乗っているので、向こうからはよく見えない。それでのんびりしているのか。あるいは、そもそも人間をあまり恐れないのか。どちらにしても、生きた動物に遭遇し、写真が撮れたことで少し興奮した。

 渓谷の隠居へ通い始めて30年近くになる。街なかと違って周りは大自然だ。人間の営みは自然の営みの一部にすぎない。

 イノシシこそ日中から動き回るようなことはないが、昼間、堂々とタヌキが対岸の森から、水力発電所のつり橋を渡ってやって来る(2009年12月)。

 隠居の庭に木のテーブルがある。そこで一服していると、足元を動き回る小動物がいた。ヒミズだった(2010年10月)。

 渓谷の名所・籠場(かごば)の滝の下流に、左岸から本流の夏井川へと落下している滝がある。

渓谷一の隘路(あいろ)で交通の便を確保するために橋が架かっている。山辺(やまべ)沢という。その森へ入ったとき、道を横切るリスを見た(2009年1月)。

これらの目撃録はブログに残っている。そのなかからタヌキの記録を抜粋する。

――朝10時ごろ、いつものように対岸の森を巡ることにして、隠居の近くに架かる吊り橋を渡ろうとしたら、向こうからとことこやって来る動物がいる。

タヌキ? こんな昼間にもタヌキは歩き回るのか。紅葉シーズンが過ぎた今は、日中も森閑としている。そんなところではタヌキも昼間、安心して出歩くのだろうか。
 吊り橋の手前にある小屋の陰にかがみこみ、狙撃兵よろしくタヌキがカメラの写程距離に入るのを待った。

待ったのはいいが、最後の最後に1~2秒早く「カシャッ」とやってしまった。撮れたのはたった2コマ。

1コマは、通せんぼの柵の標識に顔が隠れていた。もう1コマは、シャッター音に気づいて吊り橋のたもとから左折してヤブに消える後ろ姿がぼんやり写っているだけだった――。

交通事故の犠牲になって、路上に横たわっている小動物は街でもたくさん見た。しかし、生きた動物を目撃するのはめったにない。

鳥類とヘビ以外では、原発避難中の富岡町内でイノシシの親子を目撃した。もしかしたら、それ以来のアライグマ?目撃だったか。

そうそう冬眠中のヤマネを捕獲したといって、渓谷の住民から丸まった状態の小動物を見せられたことがある。それもブログに書いた。

ロードキルといった「死物学」にも触れている。が、やはり生きた動物の「生物学」の方が心は躍る。

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