2024年6月24日月曜日

紫色の花

                              
 食べる楽しみだけではない。見る楽しみもある。薄紫色のアーティチョークの花はその一つ。

 このところ毎年、6月後半になると後輩からアーティチョークが届く。つぼみ、といってもソフトボール大だ。

食べるには、先端がとがって硬い皮をむいていく。花になる部分をえぐると、直径5センチほどのおちょこの底くらいの「花托」が現れる。コーヒーや紅茶でいえば、「受け皿」の真ん中、それが食用部分だ。

今年(2024年)は花を咲かせ始めたアーティチョークをもらった。ヒマワリやアザミと同じキク科の花である。色からいうとアザミに近い。

アーティチョークは和名がチョウセンアザミ。「異国のアザミ」といったニュアンスだそうだが、花がアザミに似ているところからその名が付いたか。

日をおかずに、後輩がまた桃色がかった大きな紫色の花と「ニンニク」を持って来た。ジャンボニンニクだという。

花はアリウム・ギガンチウムに似ている。アリウム・ギガンチウムについては前に一度、その球状の花に引かれて調べたことがある。

ネギやニンニクの仲間で、花茎の長い大型種は切り花に利用される。球状の花は直径が10センチ以上だという。

このアリウム・ギガンチウムに似たソフトボール大の花を床の間に飾ったあと=写真、ネットでジャンボニンニクについて調べた。

背が高く、広く平らな葉はリーキ(ネギの一種)に似る。しかし、鱗茎はニンニクに似て、それよりはるかに大きい。ジャンボニンニクと呼ばれるのはそのためだが、ニンニクとは別種だという。

刺激は少なくてマイルド、スープやサラダなどに利用される。煮込み料理には向いているが、生食はあまりよろしくない(まずい?)そうだ。

ジャンボニンニクが届いた翌日、今度はNHKの「あしたが変わるトリセツショー」でニンニクを取り上げていた。

カレーや豚汁などにニンニクを使うと、「うまみが増す」、あるいは「味が決まる」という。それはアリインというコク味物質のおかげだった。

90度以上のお湯にスライスしたニンニクを入れると、アリインが抽出される。このアリインたっぷりの「ニンニク水」が料理のうまみとコクを引き立てる。

つまり、「ニンニク水」そのものがダシになる。しかも、料理の味や香りを邪魔することがほとんどない。

ジャンボニンニクとは関係のない話しながら、ニンニクがらみの番組なので、つい最後まで見た。

むろんニンニクではないので、ジャンボニンニクから「ニンニク水」をつくることはできない。が、あらためてネギの仲間の多様さには驚かされた。

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