2024年6月1日土曜日

「枕木から煙」の記事

                     
 月曜日(5月27日)の夕刊いわき民報には驚いた。いわき駅前の田町の火事とは別に、三和町でクマを目撃、小川町の磐越東線で枕木を焼く、といった見出しが並んでいた=写真。

 いわき民報は日耀日が休刊なので、週末のニュースは月曜日に載る。枕木火災は土曜日夕方、クマは日曜日午後1時ごろの目撃情報が基になっている。

 クマの出没は月曜日午前、市の防災メールで知った。三和町下市萱地内でクマ目撃情報が寄せられた。ツキノワグマがいわき市内に生息(定着)している可能性は低いが、エサを求めて市域外から往来している可能性はある。十分注意を――。

 防災メールだけでは、コトの顛末はよくわからない。取材で肉付けされて、やっと状況が見えてきた。

 目撃したのは市の職員。県道三株・下市萱・小川線を(車で)走行中、道路の路肩に、体長1~1・5メートルのツキノワグマがいるのを確認した。クマは東の山の中に逃げたという。

 クマに関しては去年(2023年)も市内各地で目撃情報が相次いだ。なかには別の生き物をクマと誤認したものもあった。

 それよりなにより、枕木火災のベタ記事は読み飛ばして終わり、というわけにはいかなかった。場所は牛小川踏切付近、つまり夏井川渓谷にある隠居のすぐ近くではないか。

 隠居の前を磐東線と県道小野四倉線が走る。隠居から100メートルほど行った山側に何軒か家が張りつく。広域基幹林道上高部線も踏切をまたいで県道と接続する。

 住民が線路内から白煙が出ているのを見つけ、消防署員と一緒になって消火した。枕木1本が焼損したと、記事にある。

 火のないところから煙が立つものだろうか。ネットで探ると、ときどき枕木が煙を出す事故が起きている。

 事故のあった翌日曜日、隠居へ着くと夜間線路工事を知らせるチラシが届いていた。作業期間は5月21日~6月28日で、時間は夜10時から早朝6時半ごろまで。内容は大型建設機械を使っての「PCマクラギ」交換だという。

PCはプレストレスト・コンクリートの略。要は線路の強化対策として木製からコンクリート製の枕木に交換する、というものだろう。その工事が進められているなかで、木製枕木が煙を出した。

ネットによると、列車がブレーキをかけた際に生じる火花などが原因で枕木が焼ける場合がある。

気温の上昇に加え、空気が乾燥していると、自然発火することもある。木製枕木には油分を染み込ませているので、それも原因のひとつとして考えられるのだとか。

たまたまよく知る踏切付近で、しかも枕木交換が行われている最中に、煙が立ち昇った。忘れがたい事故ではある。

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