2016年6月2日木曜日

クマよけ鈴

 場所によって「動物注意」標識の図柄が変わる。いわき市ではタヌキ・イノシシくらいか。北欧にはトナカイ注意、妖精「トロール」横断注意(ノルウェー)の標識があった。土曜日(5月28日)、栃木県・那須から東北道下り線に入ったら、クマの図柄の「動物注意」標識に出くわした。
 那須高原にはツキワグマが生息している。今年〈2016年〉も4月初旬に那須町の丙湯本というところで、5月下旬にはスマートIC那須高原SA付近で目撃されている。那須へ行ってわかったが、どちらかといえば人里だ。それより標高の高い山岳部では普通に動き回っているにちがいない。

 標高1400メートル付近の山にゴヨウツツジ(シロヤシオ)の群生地がある。土曜日の朝、同級生一行でゴンドラに乗って見に行った。乗り場のショップに「熊スズ 販売してます‼」の手書き広告と、登山客への注意書きがあった=写真。山頂の「登山道周辺に熊が出没したとの情報がありました。/遊歩道より先へ行かれる方は、充分に注意下さい。/ラジオや熊鈴等の携帯をお勧めいたします」

 秋田県では5月下旬~末に同じ地域で3人が相次いでクマに殺された。クマ被害防止を呼び掛ける新聞記事によれば、去年(2015年)はクマのえさになるブナの実がまれにみるほど豊富だった。で、今年はクマが親子で活発に移動するケースが多いと予測されている。やはり、クマよけ鈴を、ということだった。

 私たちはゴヨウツツジの遊歩道止まりだったが、それより先に行く登山客は、人によってはリュックにクマよけ鈴を付けていた。いやあ、那須ってすごい。夏井川渓谷にもゴヨウツツジは自生するが、クマはいない。

 夏井川渓谷は福島県立自然公園、那須はあれだけ広大でも日光国立公園の一部だ。国立・県立・市立では美術館の規模やスタッフの数が違うように、自然公園も国・県立ではスケールが違う――なんてことを、クマ図柄の標識を見たあと、脈絡もなく考えた。

 阿武隈高地にはクマは生息しないと、これまでいわれてきた。が、近年、目撃情報が相次いでいる。いわきでも2012年7月31日、田村郡に接するいわき市川前町上桶売字大平地区でツキノワグマの足跡が確認された。夏井川渓谷にもいつかはクマが現れる、そう思っていた方がいいのかもしれない。

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