2018年10月30日火曜日

辛み大根を収穫

夏井川渓谷の小集落・牛小川は自然のどまんなかにある。人間が自然から少し土地を借りて家を建て、自然の恵みを受けながら暮らしている。人間は自然の間借り人にすぎない――そんなことを、あらためて実感する“事件”だった。
おととい(10月28日)、朝から渓谷の隠居で土いじりをし、昼食をとったあと、濡れ縁に揺りいすを出して、中折れ帽をかぶったまま昼寝をしていたら――。

なんと、野鳥が1羽、帽子のつばに止まって「チチチ」とささやくではないか。目を開けると、鼻の先に尾羽が垂れている。長い。色は茶系で先端が丸みを帯びている。重さはまったく感じなかった。人間と認識していれば、野鳥は最初から近づかない。動かぬモノ、たとえば岩かただの布と判断したから、止まって何秒か羽を休めていたのだ。町場のわが家では考えられない出来事だ。

それと同じくらいに不思議なことがある。庭のはずれの菜園に一度、辛み大根の種をまいた。以来、越冬して花を咲かせ、実の入った莢(さや)がこぼれて、勝手に発芽するようになった。今年(2018年)も草にまぎれて10株くらい生長した。

そのうちの1本が大きく葉を広げ、根元をのぞかせている。引っこ抜くと、太くて長い。これまで育ったなかで最高の出来だ。一生懸命世話を焼けばひ弱な細い大根になり、放っておけば勝手に立派な大根になる。辛み大根は野性が強いのだろう。

三春ネギはその逆で、手をかけないと太くならない。そのうえ、今年は秋雨が続いて、根腐れ気味だった。辛み大根と併せてネギを数本引っこ抜いたが、根を残して折れるものが相次いだ=写真。

辛み大根はきのうの朝、少しおろして醤油をたらし、味見をした。辛さがあとからきた。

この大根はしかし、おろしにしかならない。漬物や汁の実にしても硬いだけ。とはいえ、勝手に生長してくれた食材だ。おろし以外にも食べられる方法を考えないと。

ついでながら、帽子に止まった野鳥の種類は何だったか。ホオジロか、アオジか、スズメか……。野鳥図鑑を眺めては、ああでもないこうでもないとやっている。せっかく信用して頭の上で羽を休めてくれたのだから、特定しないとおさまらない。

けさは下半身が痛い。土いじりといっても大半は草むしりで、椅子カートを使ってスクワットをしているようなものだ。筋肉痛は翌々日にピークを迎えるらしい。

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