夏井川の下流左岸、平中神谷地区の河川敷で行われていた除草・伐採作業が終わった。するとすぐ対岸、平山崎地区でも河川敷の竹やヤナギの伐採が始まった=写真上1。
山崎地区では前にも、県道移設を兼ねて大がかりな河川改修工事が行われた。当時の様子はどうだったか。新聞だといちいち紙をめくって記事を探さないといけないが、ブログだとキーワード検索で簡単に確かめられる。こういうときにはデジタル技術のありがたさを痛感する。
ブログを始めたのは平成20(2008)年2月下旬。当時は朝晩、首からカメラをぶら下げて夏井川の堤防を散歩した。花・雲・畑・けがをして残留したハクチョウ・その世話をするおじさん……。これはと思ったら、即シャッターを切った。その絵解きを兼ねて、毎日、ブログを書いた。それが今は自分にとっての“備忘録”兼“データベース”になっている。
ブログで最初に河川工事を取り上げたのは同20年9月20日。対岸の小高い丘に浄土宗の名刹・専称寺がある。そのふもと、同じ浄土宗の古刹・如来寺までの間で拡幅工事が行われた。県道甲塚古墳線を田んぼの中に付け替え、古い道路を河川敷にするという大改造計画だった。
下流、国道6号(旧常磐バイパス)の夏井川橋下で行われた土砂除去工事と連動していたようだ。地元住民によると、そこで除去した土砂を新しい道路の盛り土に利用した。
次に取り上げたのは同年11月27日。対岸の堤防へ出かけ、工事の標識板を確かめた。3枚あって、1つは「(夏井川筋)河川拡幅工事」(平成20年3月21日~11月27日)、残る2つには「(夏井川筋)広域基幹河川改修工事」(平成20年8月18日~21年2月10日)と書かれていた。
それから1年ちょっとあとの同22(2010)年1月30日のブログには、こうある。
しばらく鳴りをひそめていた重機がうなり出した。場所は如来寺の近辺。ショベルカーが掘り起こした土砂をダンプカーが積んで運ぶ。前年秋にはひっきりなしに行われていた作業だったが、いつの間にかダンプカーの姿が消え、重機もそこにあるだけ、という状態で越年した。その工事が1月下旬に再開された=写真上2(ちょうど11年前の1月27日朝に撮影した。場所は写真上1とほぼ同じ)。
同年3月21日には、塩と中神谷の境で行われていた護岸工事にも触れている。
それから11年――。山崎の河川敷には大水のたびに土砂が堆積し、草が茂り、ヤナギがわんさと生えた。こちらの中神谷でも土砂がたまり続けた。川には中島ができた。
温暖化の影響もあって、大雨になると川は大蛇のようにのたうち回る。仮に拡幅・改良したときの姿を維持しようとすれば、定期的な除草・伐採・土砂除去が必要になる。問屋はしかし、そう簡単には卸してくれない。草木が茂り、土砂がたまったところへ、おととし(2019年)秋、台風19号が襲来した。
自分のブログを読み返して思うのは、河川敷の自然の回復力はすさまじい、ということだ。ヤナギは特にすごい。岸辺に林立し、やがて大木化する。その大木の列が消えてみると、それはそれで寂しいものだ。
自然だけの世界ではただの「洪水」も、人間のいる世界では「水害」になる。自然と人間の綱引きはこれからも続く。
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