2023年8月10日木曜日

健康保険証

         
 会社を辞めたあとは国民健康保険の世話になっている。毎年7月になると、市から新しい保険証が届く。有効期限は1年。8月1日から翌年7月31日までだ。

 今年(2023年)も7月に新しい保険証が届いた。が、有効期限は11月中旬の誕生日前日まで、わずか3カ月半ほどだ。なんで、まちがいじゃないの? そう思いながらも、同封の文書=写真=を読んで「うーん」となった。

 今年の誕生日で75歳になる。昭和23年8月2日~同24年7月31日までに生まれた人の有効期限は誕生日の前日までで、それ以降の保険証は「後期高齢者医療保険」に変わる、有効期限前に新しい保険証が届く、とあった。

「75歳の壁か」。とっさにそんな言葉が思い浮かんだ。というのは、先日、運転免許更新のために自動車学校で認知機能検査を受けたからだ。

前回は座学と実車指導だけだった。今回は新たに認知機能検査が加わった。内容は複数の絵を見て、覚えて、答える検査検査当日の年月日と時間を答える検査――の二つだった。

認知機能検査に続く後期高齢者医療保険への移行。これが「75歳の壁」というやつか。とはいえ、どちらも制度で決まっているから、75歳を迎えればだれでも経験する。

ほんとうの「壁」は、やはり心身の問題だろう。高齢者を長く取材してきたという作家がインタビューに答えていた。

60~74歳は一般に元気だし、家族の扶養義務も軽くなる、時間的にもゆとりが生まれる。人生で最も楽しめるのがこの時期だ、と。

確かにそういう面はある。いや、あった、というべきか。これからは文字通り「高齢」を実感する場面が増えてくるのだろう。

保険証の話に戻る。メディアは連日のように「マイナ保険証」の問題を報じている。政府はマイナンバーカードを導入し、健康保険証を廃止して「マイナ保険証」に一本化しようとしているが、別人の情報と紐づけられるなど、誤登録が相次いでいるという。

わが家にもだいぶ前、「最大2万円分のマイナポイントがもらえる」という触れ込みでマイナンバーカードの申請書が届いた。カードは健康保険証としても使える、とあった。

そのまま申請しないでいたら、誤登録問題が起きた。他人の薬や医療情報が閲覧される事故もあったという。

これでは、個人情報は守れない。これからマイナカードを取得しようという動きにもブレーキがかかる。

政府は来年(2024年)秋の保険証廃止を変えていない。で、マイナ保険証を持たない人には「資格確認書」を交付するという。なら、今のままでいいじゃないの、とならないか。制度への不安は尋常ではない。不信が怒りに変わっていく流れが見えるようだ。

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