2023年8月2日水曜日

今年もかば焼きが

                     
  去年(2022年)から、わが家で「土用の丑(うし)の日」に「うなぎのかば焼き」を食べるようになった。その経緯についてはブログに書いた。それをまずは要約・再掲する。

――わが家は米屋の支店。米を注文してくれる近所の料理屋さんから、毎年、土用の丑の日に「うな重」を取っていた。

ところが、近年はウナギが激減し、2014年には国際自然保護連合のレッドリスト最新版に「絶滅危惧種」として掲載された。乱獲が大きい。

値段的には庶民が食べられるものではなくなった。そこで、「注文してくれなくてもいいよ」。東日本大震災後に料理屋さんが気を遣ってくれた。今は、その料理店はない。飲み屋に変わった。

うなぎのかば焼きが去年の丑の日の夜、食卓に「復活」した。生協(パルシステム)から購入したという。

生協では、鹿児島県鹿屋市の大隅地区養まん漁協と話し合いを重ね、漁協とともに「うなぎ資源回復協議会」を立ち上げた。

パックに入ったかば焼きとともに届いたチラシによると、ウナギを大きく育て、食べて得たポイントを協議会の支援カンパに生かす、という取り組みだ――。

今年も生協からかば焼きが届いた。しかも、丑の日の前、7月28日に食卓に上った=写真。

日曜日の7月30日が土用丑の日だった。日曜日の夜はカツオの刺し身と決めている。カツ刺しのほかにかば焼きも、となれば、若いときは喜んだかもしれない。

しかし、古希を過ぎて食欲が半減した。この何年かだけでも、それがわかる。染付のマイ皿(径20センチほどの中皿)にカツ刺しを盛り付けてもらう。ざっと30切れはある。その刺し身が毎回、3分の1は余る。

余ったカツ刺しは、翌朝、海鮮丼にしたが、最近はにんにくおろし醤油に漬けて揚げたのが、晩酌のつまみになって出てくる。

カツ刺しさえ余る。それでは、せっかくのごちそうが楽しめない。「日曜日はカツオの刺し身があるから」。カミサンの説明に、早いうな重の理由が分かった。

毎日、危険な暑さが続く。熱中症にかからないように、年寄りは家で静かにしている。しかし、エアコンも扇風機もかけずにいて亡くなる人がいる。

そうしたニュースに接するたびに、なんとも無念な思いがする。水さえ飲んでいれば……、と。

2日早いかば焼きをつつきながら、カミサンが軽口をたたいた。「精をつけなきゃ」。その精とは、動き回るためのエネルギーというよりは、危険な暑さで弱った体力の栄養補給のようなものだろう。

 まあ考えてみたら、土用丑の日だけ、うなぎのかば焼き、というのもおかしな話だ。うな重を出す店からすれば、毎日でも食べてもらいたいわけだから。しかし、結局は財布と相談すれば、せめて年に1回は、となるのがオチか。

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