この10年余、月遅れ盆にだれかと飲んだり、どこかへ遊びに出かけたりしたことはない。「お盆のレジャー」とは全く無縁になった。
理由は簡単だ。8月16日早朝、お盆の供え物を受け取り、あとで収集車に積み込む「精霊送り」が行われる。それを行政区の役員が担当する。その一員に加わったからだ。
精霊送りの場所は、わが区の場合、県営住宅の集会所前庭と決まっている。集会所前の道路に車が止まっていると、供え物の受け取りや収集車の横付けに支障をきたす。そこでまず、14日に「駐車自粛」の立て看板を出す。
翌15日は夕方5時から集会所前庭の草刈りをし、四隅に竹を立てて縄を張り、「結界」をつくる。正面には杉の葉とホオズキを飾る。
当日16日朝は、6時から1時間単位で役員が交代しながら供え物を受け取る。受け付けは原則8時で打ち切りだが、収集車が来るまでの間は、遅れてきた供え物も受け取る。
先日も精霊送りと天気の話を書いた。これは、いわば今年(2023年)の顛末記。一部重複するが、流れに沿って振り返る。
この何年か、15日夕と16日早朝に雨が降ったらどうしよう、そんな心配がよぎるようになった。
若いころの記憶だと、8月中旬は、夕立はあっても天気が大きく崩れることはなかった。この天気が最近は不安定になってきた。
そんな気象の“ゆらぎ”については前にも書いた。今年の精霊送りはちゃんとできるだろうか。台風6号が発生し、追いかけるように7号が現れると、雨の不安がふくらんだ。
平の七夕まつりが終わったころから、連日、台風の進路をチェックした。月遅れ盆に入ると、それこそ雨が降ればすぐネットで雨雲の動きを確かめた。
セミもまた雨には敏感だ。雨が降り出すと、庭のセミの鳴き声がやむ。雨がやむと、すぐまたセミが鳴き出す。これを一日に何度も繰り返す。
まだ雨雲が少なかった8月10日朝は、雨がやんでセミが鳴き出したのを合図に、回覧資料を配った。なんとか雨は避けられた。
15日は、そうはいかなかった。次々に雨雲が現れる。セミも鳴いては沈黙し、沈黙しては鳴き出す。ネットで雨雲を何回チェックしたことだろう。
たまたま、というほかない。夕方5時前には雨雲が去った。予定通り草を刈り、竹を立てて精霊送りの準備を終えた。
翌朝5時半にはもう供え物が置いてあった=写真。雨の心配はない。南から北へ雲が走っていく。時折、朝日が差す。これがきつい。すぐ汗がにじむ。
今年はむき出しの供え物を3~4個、あとで袋に詰め直した。そうすれば、収集車が来たときに時間の短縮ができる。
タイミングよくというか、いつもは9時前後に現れる収集車が8時半には到着した。すでに受け付けは終了し、供え物もすべて袋に入っている。この10年余で初めて、9時前には後片付けをすませて解散した。
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