日曜日(8月20日)も朝から厳しい暑さになった。夏井川渓谷の隠居でほんの少し土いじりをした。
クワの木が葉陰をつくる畑の隅に生ごみを埋めること15分。さらに、シダレザクラの日陰になっているネギうねの草むしりを15分ほど。それだけで汗みどろになった。
あとは隠居にこもって、時折、吹き抜ける谷風に涼気を感じながら、ただただぼんやり過ごした。
昼食をとったあと、茶の間で横になった。すぐアブがやって来る。アブよけに蚊取り線香をたくと、ほどなく庭の方が薄暗くなった。
そのちょっと前、空を見上げたら、北側が灰色の雲に覆われていた。三大明神山の方だ。そちらから遠雷が届く。渓谷にはまだ青空が広がっていた。
40代後半に渓谷へ通い始めたころ、近くの水力発電所に勤めていたという集落の長老から、渓谷近辺には二つの「雷の道」があることを教えられた。
一つは、白河あたりで発生した雷雲が久之方面に抜けるルート。もう一つはより北側、会津方面からやってきたのが木戸川(楢葉町)あたりに抜けるルートだ。
遠雷からすると、「会津―木戸川」ルートらしい。こちらには来ない。そうタカをくくっていたら、さらに空が陰ってきた。
「車の窓を閉めたら」。カミサンが言うのに従ってそうしたとたん、雨が降り出した。そのうち、頭上で雷が鳴り始めた。
落雷したかと思うと、横に雷が走る。濡れ縁に置いた雨だれ用の火鉢がたちまち満パイになった=写真。
長老の話だと、渓谷で怖いのは「白河―久之浜」線。直撃を受ける可能性がある、ということだった。
しかし、今度のは「ゲリラ雷雨」とネットにあった。北東から南西に下って来た。既存の「雷の道」ではない。
雲は今、どこに来ているのか。雨量はどの程度か。たびたびスマホで雨雲の様子を確かめては、これから激しくなりそうだ、あるいはいつごろ峠を越しそうだ、などと案じながら雷鳴の強弱を探った。
というのは、かつて生きた心地がしないくらい激しい雷雨を経験したからだ。雷が谷間を横に走るのを見た。すぐそばで音が鳴り、光が走った。
地響きがして空気が震える。電気を消して縮こまっているしかない。雷雲の真っただ中に取り残された思いがした。
それに比べたら、日曜日の雷雨は規模が小さかった。1時間もすると雲は南に去り、青空が戻った。
室温は32度から27度台へと、5度ほど下がった。少ししのぎやすくなったので、またネギのうねに戻って草むしりをした。
そうそう、ネギうねのそばに辛み大根が「自生」している。月遅れ盆が終わると、こぼれ種が発芽する。その自生サイクルを思い出して確かめたら、ちゃんと芽を出していた。
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