月~金の午後2時半から1時間、何もなければBS日テレの「新・オスマン帝国外伝――影の女帝キョセム」を見た。
先日、8月21日からは韓国ドラマ「ペントハウス」を放送するという字幕が現れた。「あれっ、キョセムのドラマにしては中途半端な終わり方だな」
番組のホームページに当たると、ドラマは「シーズン1(全84話)」で、その最終回が8月18日に放送されたあと、韓国ドラマに切り替わる、という流れのようだった。
やがて「シーズン2」が放送されることになるのだろう。6月にこのドラマについて、感想を書いた。それを抜粋・要約する。
――以前、皇帝スレイマン1世の寵姫(ちょうき)、ヒュッレムを主人公にした「オスマン帝国外伝――愛と欲望のハレム」が放送された。いわば、その続編だ。ヒュッレムからキョセムへ、である。
前作のときもそうだったが、今回も初めのうちは、カミサンがそばで見ていても気にならなかった。これといった事件があるわけではなかったからだ。
それが6月第3週は、キョセムが「影の女帝」としての覚悟を決めるような修羅場が展開された。
キョセムは、もとはギリシャの島から献上された奴隷の1人に過ぎなかった。皇帝アフメト1世が彼女を寵愛し、やがて子どもが生まれる。
それからドラマが激しく展開する。番組宣伝に従えば、キョセムは暗殺や裏切り、愛する者との別れを乗り越えて、権謀術数の渦巻く後宮から帝国を動かす影の女帝になっていく――。
ヒュッレムを主人公にした前のドラマから、小笠原弘幸『オスマン帝国 英傑列伝』(幻冬舎新書、2020年)を手元に置いて、時折、史実を確かめている。
今回はさらに、カミサンが移動図書館から借りた同人著『ハレム 女官と宦官たちの世界』(新潮選書、2022年)=写真=をたびたび開く。
「トルコ人とは、モンゴル高原を故地とし、中央アジアに広がった遊牧騎馬民族である」「トルコ・モンゴル系諸王朝における王族女性は、相対的に隔離される度合いは少なく、儀礼や祝宴などでは、積極的に姿をあらわした」。そうした先にオスマン帝国のハレムが形成された、といってもいいのだろう。
ドラマでは史実にフィクションを織り込みながら、皇子の母親や姉、祖母、そして女官と宦官たちが入り乱れて、王位継承争いを繰り広げる。
「シーズン1」の最終週(8月第3週)はそれこそ日替わりで陰謀・殺戮が繰り返された。王位継承に伴う「兄弟殺し」も“復活”した。
キョセムはやがて、幼い皇子の「摂政」として国政を取り仕切るが、最後はハレムで殺害される。「シーズン2」はそれこそ、キョセムの絶頂と破滅を描くものになるのだろう――そんな推測がはたらくのは、史実からドラマを見過ぎているからか。
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