早く寝ても遅く起きる子どもと違って、ジイ・バアは早く寝ると早く起きてしまう。起きて寝室の窓を開けると、フェンスに絡まったアサガオの花が目に入る=写真。その一瞬だけ、爽快な気分になる。
この夏は異常な暑さが続く。8月8日の立秋のあとも変わらない。海水表面温度が高いため、小名浜でさえ日中の気温が30度を超え、最低気温が25度以上の熱帯夜になる日が続いている。
ハマがそうなのだから、5キロ内陸のわが家はそれ以上に熱せられる。国連事務総長が7月の世界の気温に触れて、「地球温暖化」を越えて「地球沸騰化」の時代が到来したと警告した。それに続く8月の暑さは、確かに「沸騰化」が比喩ではないことを思わせる。
室温が30度を割って28度台にとどまっていた日がある。その日の心身状態が安定していたことが「目安」になる。28度台だと、普通に物事を考えられる。考えを文字化できる。つまり、当たり前に読んだり、書いたりできる。
イギリスの詩人T・S・エリオットに「4月は残酷な月だ」という詩句がある。それにならって、月単位で「残酷な月」を振り返ったことがある。
年度末の3月はだいたいそうだ。特に去年(2022年)はコロナ禍、2月に始まったロシアのウクライナ侵攻、3・11、福島県沖を震源とする地震、行政区の年度末の事務や会議、そして検査通院が続いて、精神的にも余裕がなかった。
「残酷な月」より「散々な月」もあった。2016年の7月。メガネのつるが壊れた(フレームを交換)。魔法瓶が壊れた(ヤカンで代用)。ファクスが機能しなくなった(メールでやりとり)。テレビの画面がおかしくなった(いよいよ症状が悪化、買い替えた)。不具合が次々に発生した。
それに輪をかけたのがドロボウだった。店(米屋)の一角にカミサンが運営する地域文庫がある。おばさんたちの茶飲み場でもある。フェアトレード商品も展示・販売している。
ある日の早朝、カミサンが見ると文庫の様子がおかしい。東側の出窓の外に、中に置いてあった茶わん入りのかごなどが置いてある。フェアトレード商品の売上金約5万円もなくなっている。
米も、レジも無事。荒らされたのは文庫だけ。レジは寝室のわきにある。いつも電気スタンドをつけっぱなしにして寝てしまうので、真夜中でもうっすらレジの方に明かりがもれている。レジへ近づく度胸はなかったらしい。
確かにこの年の7月は散々だった。その年の大みそかにドロボウは好間でコトに及び、逮捕された――そんな知らせが年明け後、警察から届いた。
今年(2023年)は、冒頭に書いたように残酷なほど暑い夏になった。8月は特にそうだった。中~下旬のおよそ2週間余り、一日に2~3本、集中して何万字もの文章と向き合った。やっとその「縛り」から解放された。
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