2023年12月18日月曜日

もちを配る

                     
 師走に入ると、カミサンの実家(米屋)では歳暮用のもちをつく。もちをつくといっても、臼(うす)と杵(きね)は使わない。電気もちつき器がある。

もち米は、ドラム缶を利用したまき釜に蒸籠(せいろ)を三段重ねにして蒸す。4年前(2019年)までは燃料のまきをくべ、釜の水を継ぎ足すのが役目だった。つまりは「釜じい」、火と水の番だ。

その後、当主(義弟)が友人に手伝ってもらうようになってからは、逆に人手が足りて「釜じい」をしなくてもよくなった。

今は連絡がきて、つきたてのもちを取りに行き、親戚やお得意さん、世話になっている人たちに届けるだけになった。

今年(2023年)も10日の日曜日夕方、受け取りに行き、その足で3軒の家を回った。

私はたいていアッシー君だから、車の中でカミサンの帰りを待つ。なかなか戻って来ない。1年ぶりという人もいるので、話が積もるほどあるのだろう。その間のイライラを解消するために、空を、雲を、建物を、木を眺める。

住宅地の狭い道路に降り立ったのは冬鳥のツグミだった。ハクチョウやカモ類は夏井川で見ているが、庭にやって来るジョウビタキやツグミはまだだった。ツグミ初見! それだけで気持ちが晴れる。

もちは白もち、豆もち、のりもち。白もちは元日の朝、雑煮になって出る。

もちは冷えると固くなる。それを遅らせるために、茶の間の電気マットに並べ、上には毛布を掛ける。それからカチンカチンになる前に包丁を入れる。

今年はまずカミサンが切り始め、手のひらが痛くなったといって、こちらに包丁をよこした。

右手で包丁を握り、手袋をした左の手のひらで包丁の峰を押さえ付けて、ぐっと沈める。これを何度も続けると、手のひらが痛くなる。

いつもよりは早めだったので、わりと楽にもちが切れた=写真。それと前後して、座卓にこたつカバーを掛けた。

電気マットの上に壊れたこたつを置いて座卓代わりにしている。寒くなるとマットをオンにして、足に毛布をかける。

「早くこたつカバーをしよう」。何度も催促されるのだが、「そのうち」「そのうち」と先送りにしてきた。

やがて実力行使が始まり、座卓のわきにある資料類が近くのテーブルに移された。こうなると、もう「そのうち」は効かない。先日、座卓にカバーが掛けられ、こたつらしくなった。

いつもの年末の光景だが、今年はさらに来年の年末の予定が飛び込んできた。

師走の初日、シルバーサークルの例会でおしゃべりをした。するとすぐ、令和6年度の事業計画をつくらないといけない、ついてはまた12月に講師を、と頼まれた。

 新しい手帳に最初の予定を書き込むと、また連絡が入った。「演題は?」。1年後にしゃべる内容を、今、決めろという。とりあえず頭に浮かんだことを言葉にして伝え、仮の演題を手帳に書き加える。

そうか、これがシルバーの生きる流儀なのかと納得したのは、それから少したってからだった。

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