2023年12月28日木曜日

協働こそが平和への道

                     
 昼食がパンのときはパレスチナのオリーブオイルとハーブミックス(香辛料)のザアタルを使う。向こうでは両方をパンにかけて食べるそうだ。

 カミサンが店(米屋)の一角でフェアトレード商品を扱っている。オリーブオイルとザアタルは、オリーブ石けんとともに、合同会社「パレスチナ・オリーブ」(皆川万葉代表)から取り寄せる。

オリーブオイルは、パレスチナの北部(1949年からイスラエル領)の生産者団体「ガリラヤのシンディアナ」がつくっている。そこから同社が輸入している。

およそ1年前、拙ブログでこんなことを書いた。――2021年秋、皆川さんからカミサンに電話が入った。世界的なコンテナ不足で、注文した品物の入荷が遅れる、と。

それが新年に入ってやっと届いた。「パレスチナ・オリーブ通信」が添えられていた。商品の説明や現地の様子などのほかに、海上輸送の混乱と、4月入荷分からの値上げについて補足説明をしている。

「コロナ禍の影響で、コンテナ不足、アジアの港の混雑、海上運賃の高騰が起きていると言われている一方で、日本の経済力の低下や円安も影響しているようです。つまり、コンテナの『取り負け』や、コンテナ船が日本の港へ寄らないということが起きているそうです」

海上輸送の混乱は、現象的にはコロナ問題が主因だろう。しかし、根っこには日本の経済力の低下という問題が横たわっている。深く考えさせられる指摘だ――。

2023年10月7日。パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエル領内に越境攻撃を仕掛け、イスラエル市民1400人以上を殺害し、多くの兵士や市民を人質にして連れ去った。

イスラエルはその報復としてガザ地区に無差別攻撃を続け、年末を迎えたこの時点で死者は2万人を超えたとされる。

最新の「パレスチナ・オリーブ通信」第74号によると、各生産団体とは連絡が取れている。危険がないわけではないが無事だという。

「ガリラヤのシンディアナ」は1996年、イスラエル領内のアラブ・パレスチナ人農家の支援と、アラブ・パレスチナ女性の仕事づくり・エンパワーメント(人々に夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っている素晴らしい、生きる力を湧きださせること=ウィキペディア)を目的につくられた。アラブ・パレスチナ女性とユダヤ女性が共同で運営している。

 11月半ばにオリーブの収穫イベントが行われた。前から「ともに過ごし、一緒に作業することでつながる。協働を示し、シンディアナのビジョンを知ってもらう機会になる」という認識でイベントを開いてきた。この時期だからこそ重要だという認識の下で開催されたのだろう、と皆川さん。

 協働こそが平和への唯一の道――。市民の惨状を伝えるニュースに触れるたびにこのことをかみしめる。

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