2023年12月25日月曜日

初氷

                      
   真冬並みの寒波がやって来て、家の前にある大皿の水が凍ったという。土曜日(12月23日)の朝、店の戸を開けたカミサンが気づいた。

大皿に白いサザンカの花が活(い)けてある。その花が散って水に浮き、透明な氷に閉じ込められていた=写真。前日にも薄氷が張ったというが、ここまで凍ったのは今冬初めてだ。

快晴とはいえ、いや快晴だからこそ放射冷却がおきたのか、茶の間も冷えびえとしていた。石油ストーブだけではしのげない。ヒーターもかけた。

この日午後、いわきキノコ同好会(冨田武子会長)の総会がいわき市文化センターで開かれた。北風に備えてジャンパーをはおり、マフラーを首に巻いて出かけた。

車のエンジンをかけると、自動音声で女性が教えてくれる。「きょうは12月23日です。天皇誕生日です」。ん、天皇誕生日? カレンダーは土曜日で青数字のままだったが……。

そうか! 1年前に車を買い替えた。フィットからハイブリッドのアクアへ。走行距離は8万キロ超の中古車だが、ナビやドライブレコーダー、バックカメラなどが付いている。

キーはスマートキー。それをズボンのポケットに入れたまま、ドアのノブに触れて開閉し、スタートボタンに触れてエンジンをかけたり切ったりする。

スタートボタンを押すと同時に、「きょうは……」の音声が流れる。令和ではなく、平成の車だったのだ。

それはともかく、師走に入ってからはやはり気持ちが落ち着かない。二十四節気の一つ、「冬至」は新聞で知った。すっかり忘れていた。その日は小中学校の2学期終業式でもあった。その翌日の「天皇誕生日」なので、さらに頭がこんがらかった。

さて、キノコ同好会の方だが――。対面での総会は4年ぶりだ。コロナ禍が影響して、ほかの団体同様、書面審議の総会が続いた。

拙ブログに当たると、令和元(2019)年12月に対面による総会が開かれている。その後の記録はない。

令和元年10月には台風19号が襲来し、いわきの夏井川流域を中心に甚大な被害が出た。

それから2カ月後の総会だったので、このときは勉強会止まりだった。懇親会は中止になった。

今回も懇親会はなしだったが、勉強会の講師を、というので、「文化菌類学」の話をした。

菌類研究は自然科学の範疇に入る。菌類の代表ともいうべきキノコは、しかし、「食」や「毒」、あるいは「色」や「形」の多様性から、文学・美術その他さまざまなジャンルと絡めて論じられることが多い。それを勝手に「文化菌類学」と呼んでいる。要はキノコの雑学。

ウクライナの村では秋になると、国境の先にあるロシアの松林に入ってキノコ狩りをする。そんな新聞記事をまくらに、スラブのキノコ文学に触れながら、最後にまたウクライナへ戻った。

暮らしのレベルでは国境はない、「共有」が優先される。戦争や人災(原発事故)がそれをダメにする。キノコから世界を見ると何が障害になっているのかがわかる――ついそんなところまで話が転がった。

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