2024年4月18日木曜日

令和5年度ガン・カモ調査

                      
   毎年1月、環境省主催で「全国一斉ガン・カモ調査」が行われる。いわき地方は日本野鳥の会いわき支部が担当する。

ありがたいことに、同支部の元事務局長峠順治さんから毎年、調査結果の載った支部報「かもめ」の恵贈にあずかる。今年(2024年)も4月に入ると届いた=写真。

まずは一覧表を眺める。コハクチョウの合計が令和4年度は818羽だったのに、同5年度は343羽と激減した。

パッと思い浮かんだのは、ハクチョウ越冬地での河川改修工事だ。「かもめ」もまた、同じような指摘をしていた。

それはそうだろう。ハクチョウのホーム(繁殖地)は極寒の地だ。冬は寒さを避けるために南下し、セカンドホーム(越冬地)で過ごす。

そのセカンドホームで工事が続いている。しかたないこととはいえ、ハクチョウたちにとっては落ち着かない。で、どこかいわき以外に散らばったのだろう。

ガン・カモについては、私は街からの帰りに平・塩~中神谷の夏井川で、日曜日に小川・三島の同川で観察する。

いちいち細かくカウントはしない。「見た目」でざっと20羽、50羽、100羽といったように、概数をつかむ。

その数は毎回変わる。1月のガン・カモ調査時とも一致はしない。日々、あるいは時間によって増減がある。

今年は1月14日の日曜日に一斉調査が行われた。私はこの日、カミサンと一緒に朝、夏井川渓谷の隠居へ行ってネギを収穫した。

それがすむと、カミサンに従ってアッシー君を務めた。その行き帰りにチラッと三島のハクチョウを見た。

そのときのコハクチョウの数はどうだったか。夏井川水系では、上流から三島111羽、平窪と愛谷(あいや)堰85羽、新川合流部の塩123羽、いわき南部の鮫川では沼部24羽の計343羽だった。

沼部にはコハクチョウのほかに、コブハクチョウが4羽いた。日本野鳥の会いわき支部の『いわき鳥類目録2015』によれば、コブハクチョウはいわきでは「漂鳥」扱いだ。

公園などで飼われていたのが逃げ出し、野生化したのが日本各地に定着している。平成30(2018)年度のガン・カモ調査では、鮫川でコブハクチョウが繁殖し、定着していることがわかった。つまりは留鳥化した、ということだろう。

ほかの水鳥も減った。マガモは751羽。一昨年並みで、去年の945羽よりはかなり少ない。

三島では冬場、ハクチョウに寄り添うようにオナガガモがいる。そこは113羽だったが、ほかは塩20羽、沼部43羽だけだった。去年は全体で483羽だったから、これも激減した。

特記事項として、①南部=沼部橋上流・ポンプ場で河川改修工事中、高柴ダムは堤体付近で工事中②中部=夏井川の複数個所で河川改修工事中③北部=夏井川河口で横川水門工事中、立場橋―大苗代間で工事中――とある。

減少理由としてはたまたまかもしれないが、工事個所の多さ、気温上昇などが気になるところだという。

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