2024年4月25日木曜日

芽吹き前線

                      
 田村郡小野町からいわき市川前町小白井へと延伸した「あぶくま高原道路」プラス県道を「走り初め」したことを前に書いた。

 いわきの平地から川前町の小白井(旧小白井小・中あたり)までは、標高差が600メートルはある。

 いったん夏井川渓谷の隠居に寄り、30分ほど土いじりをしてから、小野町へ向かった。大型連休前の日曜日(4月21日)である。

いわきの平地はすでにヤマザクラの花も、ソメイヨシノの花も散って、丘陵はすっかり初夏の装いだ。

渓谷の隠居の対岸を彩っていたアカヤシオ(岩ツツジ)とヤマザクラの花も消えた。隠居の庭のシダレザクラと若いサクラが少し散り残っている。シダレザクラの樹下に立っていると、隣接する空き地から声がかかった。

「ちょっとお聞きします。岩ツツジがあるのはこのへんですか」「もう終わった、ここの前の山が一番。先週の日曜日までは満開だったんだけど」

例年だと4月中旬がアカヤシオの見ごろで、下旬に入っても花は残っていたのだが、このごろは開花が早まっている印象が強い。

それからほどなく、小野町へ向かう。隠居のそば、JR磐越東線と並走する県道小野四倉線の土手は、セイヨウカラシナらしい菜の花で黄色く染まっていた=写真上1。

川前を過ぎ、市境の峠を越えて小野町夏井地区に入ると、また平地が広がる。阿武隈高地の太平洋側は、いわば2階建ての家と同じだ。1階(いわきの平地)と2階(小野町の平地)を階段(夏井川渓谷)がつないでいる。

磐東線の夏井駅あたりで標高は420メートル前後だろうか。ゆるゆると流れる夏井川の両岸にソメイヨシノが植えられている。「夏井千本桜」だ。

駅近くのソメイヨシノ=写真上2=を含めて満開は過ぎていたが、駐車場はどこも満パイ状態だった。

小野町の周囲の山は木の芽が吹いたばかり。さすがに標高の低いいわきよりは春の訪れが遅い。

小野ICのループ橋を利用して、あぶくま高原道路の延伸部分に入る。すぐ滝根ICを通過し、ほどなくいわき市川前町小白井に着く。こちらも木々の芽吹きは少ない。

このドライブで最も標高が高かったのは、やはり小白井だ。旧小白井小・中前で650メートルほど。芽吹き前線の中核となるコナラなどの雑木山はまだ冬の眠りから覚めてはいなかった。

小野町のコンビニで昼の弁当を買った。見晴らしのいいところで食べようとなったのだが、これはという場所がない。

結局、下川内、小川町・戸渡から国道399号の十文字トンネルを抜け、沿道のスペースに車を止めて、そこで食べた。 

右手にヤマザクラの花で染まった山が見える。「なんという山?」と問われても、方角がわからない。

二ツ箭山なら「裏二ツ箭」だが、どうもそちらではなさそうだ。背戸峨廊(セドガロ)の源流だろうか。いずれにしても、そこからの眺めを楽しんでから、小川の平地へ下りた。

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