2024年4月20日土曜日

大きな変化

                               
 すっかり春めいてきた。カミサンが庭からニリンソウの花を1本取って、食卓に飾った=写真。

 だいぶ前、親類の土地に自生していたニリンソウを分けてもらい、庭に移植した。前はひとかたまりになって咲いていたが、土が合わなかったのか、年々数を減らし、もう消えたと思っていた。

 しかも、4月の後半だ。ニリンソウやカタクリは早春植物といわれていて、ほかに先駆けて開花する。スプリング・エフェメラル(春の妖精)にしてはずいぶん寝坊助ではないか。

 朝食のときに見ると、花が閉じていた。日中はもちろん開いている。温度の変化に応じて花を開閉するのを初めて知った。

 「年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず」。花は時期がくれば咲くが、人間の世界はいつも同じではない。

 拡大解釈をすると、人の世は移り変わるのを常とする、という意味では、これはもしかしたら大きな変化だったかもしれない。

   3月最後の日曜日に行政区の総会が開かれた。やることは毎年同じなので、予算と事業計画も前年度と大枠では変わらない。

 とはいえ、今回は全く前例にない提案をした。区費の3年間減額である。審議に先立って、私がその理由を説明した。総会資料にも盛り込んだ。

 話は1年前にさかのぼる。コロナ禍が収まらないため、対面による総会ではなく書面審議による総会が続いた。

 去年の書面審議の過程で「繰越金が多すぎるのではないか」との指摘があり、5年度中に善後策を検討することを約束した。

 数字を出すことは控えるが、けっこうな額になっていた。理由は何か。役員会で過去10年の収支決算書を精査した。

やはりというべきか、コロナ禍による行事の中止が相次いだことが主因だった。球技大会や体育祭をはじめ、各種の行事が中止、あるいは規模縮小され、事業費や負担金、助成金、交際費(祭礼等の祝い金)の支出が減った。

通常の水準(令和元年度までの平均収支)を目安に、何パターンか区費減額による収入減、各種行事再開による支出増を試算した結果、「区費の6分の1減額3年間」で繰越金がコロナ禍前に落ち着くことがわかった。

コロナ禍で活動が停滞したため、団体によっては負担金の徴収を見合わせるといったケースもあった。

それと同じで、遅まきながら活動が抑えられた分、個々の負担も軽減しよう、ということになった。

これはたぶん、世代的な視点が影響しているように思う。長老組はどうしても前例踏襲主義になってしまう。

 ところが、若い世代は違う。おかしいのではないかという問題意識とセンス、これが地域で暮らす視点と結びついたとき、ではどうしたらいいかという答えと変化を生むエネルギーになった。

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