2024年8月14日水曜日

前震・本震・余震

            
   先日(8月8日)の夕方、九州の日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生し、日南市で最大震度6弱を記録した。

南海トラフがらみでは初めて、「巨大地震注意」の臨時情報が発表された。1週間は平時よりも巨大地震の発生に注意する必要があるということらしい。

令和4(2022)年12月16日、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の運用が始まった。それを知らせるチラシ=写真=が同5年1月、回覧網を通じて隣組に配られた。

そこで「前発地震」と「後発地震」を知った。3・11の場合は、2日前のマグニチュード7.3が前発地震、2日後のマグニチュード9.0が後発地震ということになる。

本震のあとに余震がくる。これは一般の人でも承知していることだ。が、本震の前にも地震があることを、東日本大震災のときに初めて知った。

平成23(2011)年3月9日は水曜日だったが、たまたま夏井川渓谷の隠居にいて、揺れを体験した。そのときの様子を3月10日付のブログに書いた。それを要約・再掲する。

――間もなく正午、というときに、家がカタカタいいはじめた。急に風が吹き始めたか、と思うくらいに、揺れは外からやってきた。

「地震かな」。軽い身震いのようなものがしばらく続いた。そのうち、全体が揺れ始めた。「やっぱり地震だ」。横揺れだった。長かった。

こたつで本を読んでいた。真正面の対岸は岩盤の露出した急斜面だ。県道も含めて、しょっちゅう落石がある。

地震の影響(落石)がないものか。目前の山に神経を集中した。見た目では、「崩れ」はなかった。

ラジオ(NHK)はすぐ特番に切り替わり、津波への警戒を伝え、臨海の役場に電話を入れて状況を聞き始めた――

これといった被害はなかった。それもあって、ブログをアップした翌11日、千年に一度ともいうべき超巨大地震に見舞われるとは思いもしなかった。

本震からちょうど1カ月後の4月11、12日の2回、今度はいわき市内を震源とする巨大余震が発生した。前震・本震・余震が胸中に深く刻まれた。

それからというもの、大きな地震のニュースに触れるたびに、前震を、余震を意識するようになった。

平成28(2016)年4月の熊本地震は、4月14日がマグニチュード6.5、同16日が7.3だった。14日は前震、16日が本震(後発地震)ということになる。この地震のときにも「あのとき」の記憶がよみがえった

今年(2024年)に入るとすぐ、元日に能登半島地震が起きた。そして、今度は日向灘の地震だ。

「大地動乱」は収まる気配がない。巨大地震が起きるとすぐ思い浮かぶのは、震源に近いところにある原発のこと。大きな地震のたびに不安を抱えて暮らすしかない、というのは苛酷すぎる。

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