2024年8月5日月曜日

モモを食べる

                      
 今年(2024年)ほどモモのありがたみを感じたことはない。5泊6日の手術・入院前に「福島へ行ってきたから」と若い元同僚がモモを持って来た。退院後は知り合いからやはり、見舞いを兼ねてモモが届いた。

 手術前に検査が続き、出術当日にも「水分摂取は朝6時まで」といった制限がかかった。

 手術後は一般病棟に戻ったが、水分を控えるクセがついて、食事のときに出てくるお茶以外は水を飲むことを忘れていた。

 入院日の昼から退院日の昼前まで都合6日間、お茶だけの食事が続いたが、それでのどが渇くこともなかった。

 わが家に戻って体重を量ると、服を着たままで69・5キロだったのが、パジャマの甚平だけで67キロ前後に減っていた。

 入院前は晩酌をしていた。ポットに水を入れて座卓に置き、焼酎を生(き)で口に含み、すぐチェイサー(追い水)をして水割りにしたのを胃袋に流し込む。

 最初から水割りにするのではなく、いったん焼酎そのものを舌にのせてから、追い水をする。合間におかずをつつく。

これが、入院でアルコールなしの夕食に変わった。食事そのものも「塩分制限食」とかで、ごはん以外は控えめだった。

たぶん、食事の量が減ったことが体重減少の大きな理由だ。次が晩酌の中止、そして日中も水を飲まなかったことだろう。

入院中の7月20日以来、沿岸部の小名浜でも酷暑が続き、退院後の24、29日には猛暑日になった。

内陸部の山田町は推して知るべしで、やはり酷暑が続いた。それでも東北南部の梅雨明けは8月1日にずれ込んだのだから、地球はまちがいなく沸騰している。

「体重が減ったのは水を飲んでなかったからだわ」。塩分制限食はともかく、カミサンの言葉にハッとして、退院後はしょっちゅう水を飲むようにした。むろん熱中症対策もある。

小さな空きボトルに水道水を入れて冷やし、トイレへ行ったり、台所に立ったりしたときに冷蔵庫を開けて飲み、からっぽになるとすぐ補給する。それを一日に何度も繰り返す。このところ毎日、冷えた水のうまさを実感している。

水を飲むだけではない。アイスクリームを食べる。スイカを食べる。お福分けのキュウリも糠漬けその他にして食べる。

氷菓のほかに水分を多く含む野菜・果物を口にする機会が増えた。なかでも夕食後などに、冷えたモモ=写真=が皮なしで出てくると、まず目が喜ぶ。

硬いモモがある。果汁がたっぷりでとろけそうなモモがある。果汁も果肉もほどよいモモがある。どれもひんやりしているから、のどの奥まで甘みと果汁がしみとおる。

「モモ屋で~す」。若い元同僚が後日またモモを持って来た。退院祝いだったかもしれない。これもまた舌が、のどが、いや体が喜んだ。

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