「しばらく重いものは持たないように」。カミサンがドクターに言われたそうだ。退院後の私のことである。
「重いものって、どのくらいですか」。ドクターに直接聞くと、逆に持ってもいい目安を教えられた。「息が上がらなければいいんです」
慢性の不整脈なので、少しムリをすると息が上がる。肺機能も十分とは言えない。どんなことをすると息が上がるかは、日常的に経験している。
普通に歩いている分には、支障はない。しかし、車に米を積むとき、瞬間的に息が上がる。
米は5キロ、10キロの二つ。5キロ入りの袋一つだけならなんとかなるが、10キロ入りを抱えて歩くとハカハカする。
月に3回届く回覧資料はどうか。退院後すぐ配った資料は、全戸配布ではなく、隣組ごとに1枚の回覧だった。
それが3枚あっても4枚あっても、回覧袋はほとんど重さを感じない。息は上がらなかった。
ところが8月1日は偶数月なので、いわき市の広報と県の広報、さらに地域の体育祭のプログラムが加わった。広報は全戸配布、プログラムも体育協会協賛金を収めた世帯への限定的な全戸配布だ。
隣組単位なら厚みはあっても息が上がる重さではない。しかし、複数の隣組を担当する役員さん宅に届けるとなると、重さは3倍にも、4倍にもなって息が上がる。
そこで今回はカミサンの力を借りることにした。いつもは朝ドラが終わってから配りに行くのだが、酷暑の夏場は新聞配達よろしく、朝日が頭上に来る前に届けることにしている。
そのため、5時半ごろに起きてカミサンに声をかけた。起きると私はすぐ糠床をかき回す。それと同じで、カミサンにはカミサンの朝の「儀式」があるようだ。
店のそばに文庫(地域図書館)兼談話室がある。そこに用事があったらしい。すると、朝日が東側の窓を照らしていた=写真。
まだ6時前だ。朝日は水平よりやや上から文庫に差し込み、それがうっすらと部屋の奥まで明るくしていた。その時間だからこそ太陽が見せる光のデザインだった。カミサンがパチリとやった。
車で道路へ出る。朝日がまぶしい。担当する隣組の班長さん宅には、カミサンが回覧資料を持ってついて来た。
中層の集合住宅では1階の郵便受けに入れ、役員さん宅では複数の隣組の資料を入れた袋ごと、玄関のわきに置いた。
昔は定員通りの役員さんがいた。今は3~4人足りないので、限られた役員で兼務をしている。年齢的にも高齢者が多い。
配布の肩代わりなどは夢のまた夢。ふだんからカミサンに配達の一部を頼んでいる。今回もまた、「重いもの」を理由に、カミサンに手伝ってもらった。
抜き差しならない高齢社会の現実。それがまず区内会の役員の不足になってあらわれる、としかいいようがない。
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