月遅れ盆を前に、夏井川渓谷にある隠居の庭がきれいになった。後輩が上と下の庭の草を刈ってくれた。
緑の繁殖力はすさまじい。6月末にも刈ってもらったが、わずか1カ月ちょっとで地面が見えなくなった。
上の庭は分校の校庭並みに広い。下の庭は、その倍はある。そこを自走式の草刈り機で往復する。たちまち「坊主刈り」の長い帯ができる。
上の庭の一部を菜園にしている。カミサンの花壇もある。このごろは花壇が増殖中だ。
伐採したキリの古木の根元にミョウガが植わってある。カミサンはそれも花壇の一部に取り込み、手入れをしている。
ミョウガは年に2回楽しめる。春、ミョウガタケが芽生えてのびる。初秋、ミョウガの子(花穂)が茎の根元に現れ、花を咲かせる。どちらも汁の実や薬味にする。
ミョウガは、平の自宅にもある。8月後半になると、ミョウガの子が現れる。ところがどういうわけか、こちらのミョウガの子は出現が遅れ気味だ。
令和2(2020)年は1カ月以上遅れて9月末に現れた。同3年は月遅れ盆から1週間ほどたった8月下旬になって、白っぽい花が咲いているのを見つけた。今年(2024年)はもう8月下旬だが、まだのようだ。
自宅の庭のカキの木の下にはさまざまな草が生える。ミョウガも丈が1メートルを超える。ヤブカがわんさといる。少しでも草をかきわけて入り込むと、たちまちすねにヤブカがたかる。
カミサンも、私も、それで採るのをためらってしまう。ミョウガの子が出ているかどうかは、外からうかがうしかない。
それに比べたら、隠居のミョウガはヤブカとは無縁だ。周りも草が刈られてすっきりした。風がよく通る。
お盆明けの8月18日、花壇の手入れを兼ねてカミサンがミョウガの子を収穫した=写真。
その数ざっと30個といったところだろうか。よく水洗いをして土とごみを取り除き、花も含めて持ち帰った。
いつものように、味噌汁に散らす。知人にもお福分けをする。何個かを二つに割ってガーゼにくるみ、糠床に入れた。
ミョウガは、やはり独特の香りがいい。香りの正体は「α―ピネン」と呼ばれるもので、物忘れどころか集中力を高める効果があるそうだ。
加熱すると香りは減じるというから、やはり即席漬けが一番だろう。ほんとうはカブとキュウリの一夜漬けにしたいところだが、キュウリは旬を過ぎた。
糠漬けは、12時間では少し足りなかったかもしれない。外側の皮はほどよく漬かったが、内側が少し生に近かった。あと3時間。次はそれだけ長く漬けてみようと思う。
ついでに食べたいのは、ミョウガの甘酢漬け。カミサンに頼んで、タマネギの甘酢漬けにミョウガの子を加えたことがある。
結果オーライで、いいあんばいに漬かった。甘酢がしみてやわらかい。香味も失われていない。初秋のおかずにふさわしい一品になった。
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