2024年8月17日土曜日

台風と精霊送り

                     
   月遅れ盆の精霊送りはいわき市の場合、8月16日の早朝に行われる。あらかじめ集積所を決め、燃えるごみの規格袋に入れて盆の供物を出すように、市が回覧で通知する。

わが行政区では前日の15日、夕方5時に区の役員が出て県営住宅集会所の前庭を清掃し、供物を受け取るための祭壇を設ける。

 竹4本を調達し、縄を張った正面には杉の葉と赤いホオズキを飾る。竹は故義伯父の家の裏庭から切って来る。

翌日は朝6時から役員が交代で立ち合い、供物をあずかり、同9時前後に収集車が来るのを待つ。設営から片付けまで、すべてを区の役員6人で行う。

以上の作業はしかし、8月の晴天を前提にしたマニュアルといってもいい。このごろは8月に台風が来たり、荒れた天気になったりする例が増えてきた。

今のところ、準備も実施も悪天候で影響を受けたことはない。が、どっかり胸に暗雲が居座るようになった。暗雲を感じた最初が3年前の令和3(2021)年だった。そのときの拙ブログ。

――前線が停滞し、西日本では大雨が続く。いわき地方も南部を中心に雨が降り続いた。

8月15日も雨だったが、午後にはやんだ。精霊送りの準備が滞りなくできたことにホッとする。

精霊送りの朝も曇りだった。それはしかし偶然というものだろう。「雨のときにはどうしたら」と、役員の一人がいう。

コロナだけではない。異常気象がある。台風や土砂降りの8月15、16日も想定しないといけない――。

その2年後、去年(2023年)の月遅れ盆もまた、雨が降るとすぐネットで雲の動きを確かめた。

――セミもまた雨には敏感だ。雨が降り出すと、庭のセミの鳴き声がやむ。雨がやむと、すぐまた鳴き出す。

15日は次々に雨雲が現れた。セミも鳴いては沈黙し、沈黙しては鳴き出す。ネットで雨雲を何回チェックしたことだろう。

たまたま夕方5時前には雨雲が去った。予定通り草を刈り、竹を立てて精霊送りの準備を終えた。

翌朝5時半には、雨の心配はなかった。南から北へ雲が走っていく。時折、朝日が差す。これがきつい。すぐ汗がにじむ――。

今年は特に16日がきつかった。前日からネットで何回も雨雲の動きを追った。台風7号の影響で、早朝3時ごろから雨の予報になった。雨合羽を着ないといけないか。そんな思いにもなった。

たまたまというしかない。雨どころか、雲の切れ間から薄く青空がのぞく=写真。やがて曇ったかと思うと、雨が降り出す。しかし、これもさいわい微雨ですんだ。

雨風を想定して、祭壇は竹を2本飾り、縄でつないで杉の葉とホオズキを飾っただけにし、実際に供物を受け取るところは屋根のある集会所の玄関にした。

焼香台は横なぐりの雨を避けるために省略し、供物を受け取りながらそのつど説明した。

台風7号はそのころ八丈島の東にあった。雨合羽をはおらずにすんだ――そう一息ついていたら、今度は線状降水帯だという。もう本州は「亜熱帯」か。

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