イラストレーターでエッセイストの田村セツコさん、といっても、男性はどのくらい知っているだろう。私も1年前までは全く知らなかった。
カミサンは高校生のころから、少女雑誌の挿し絵画家としてなじんでいたそうだ。86歳の今も、「少女」のままの服装と夢見る心で生きている。
まずは拙ブログ(2023年12月29日付)で私が彼女を知った経緯と、彼女の人となりを紹介する。
――夕方は全国・ローカルのニュース番組を見る。7時台は、カミサンの見たい番組があればそちらを優先する。
2023年12月25日の月曜日は夜8時になってから、カミサンがEテレにチャンネルを合わせた。
ハートネットTV「私のリカバリー
85歳のトキメキはやまず 田村セツコ」。彼女の服装はまるでおしゃれな少女のままだ。表情もとてもおばあさんには見えない。
こんな人がいたのか! 少女雑誌を読まずにきた人間は、それこそ少女がそのまま老女になったような不思議さにびっくりした。翌日、図書館から彼女の本を3冊借りて読んだ。
まずは、これまでの歩みを。1938(昭和13)年東京に生まれ、1960年代に雑誌「少女ブック」やマンガ誌「りぼん」「なかよし」の表紙などを担当した。1980年以降は名作童話の挿し絵も描いた。
現在は、絵日記教室の講師のほかに、年に数回の個展、講演会などを開いているという。
テレビで見たときの第一印象はまさに10代、それも小学生の女の子が着るような服装だった。
驚いたのは外見よりも内面の方だ。老いを初体験と考え、母と妹のダブル介護を苦痛ではなく楽しみにする好奇心。
介護のコツは相手を褒(ほ)めて褒めまくることだという。「さすが」と「おかげさまで」は点滴より効果がある。
「わたしもいつのまにか、おばあさんの仲間入りをしました。ま、とにかく、おばあさんになるのは、生まれて初めてなので、内心、ひそかに、わくわくドキドキしているところです」――
それから8カ月。カミサンが移動図書館で借りた彼女の本、『86歳の健康暮らし――だれにも言ってないひみつの健康法』(興陽館、2013年)を持って来た=写真。
いろいろある健康法のなかから、二つを紹介する。まずは「メモ魔健康法」。絵日記講座の基本は「メモ魔、落書きの絵と文章、メモで絵日記」を描くことだという。
それは「日記健康法」とも重なる。日記は小学4年生のときに始めた。メモもそうだが、書くと「気持ちが整う」。
「なんでも正直に書くと、たいていの問題は解決して、おおらかになる」。日記は過去のことではなくて、現在の心を楽しくさせる「現役として、すごく役に立つ」ものだともいう。
私のブログの素材は、紙に書き連ねた日々の雑録=メモ(日記)だ。それしかない、といってもいい。
「正確に、心をこめて、書く」(詩人鮎川信夫)ためにも、絵日記はともかく、メモは多ければ多いほどいい。
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