2024年10月7日月曜日

コウノトリが一時滞留

                               
 日本野鳥の会いわき支部から、支部報「かもめ」第164号(10月1日発行)の恵贈にあずかった=写真。表紙にツバメの塒(ねぐら)入り観察会の写真と文章が載る。

 中の報告記事も併せて読むと、観察会は8月4日夕方、夏井川河口右岸サイクリング公園から上流500メートルほどの間で行われた。

 参加者は58人、うち一般参加者は43人と、今までにない数だったという。東京や茨城県、郡山市からも駆けつけた。

 もう15年前になる。たまたまツバメの塒観察会を知って駆けつけたことがある。場所は同じ夏井川河口右岸上流のヨシ原。

用があって最後までおられず、空を覆うような数のツバメを見ることはできなかった。それが心残りで、8月に入るとツバメの塒入りが頭に浮かぶ。今年(2024年)は、ツバメの数が圧倒的に多く、見応えがあったそうだ。

川面に波紋を残して、集団で水飲みや水浴びをする。空を覆い尽くす大群が何度も現れる。対岸のヨシ原の上を無数のツバメが飛び回り、次々にヨシ原の中に飛び込んでいく――。

 文章を読みながら、塒入りの光景を想像して心がときめいた。それよりなにより、参加者が堤防の上にずらりと並んだ写真には圧倒された。

15年前はスタッフを含めて何人いただろう。ほんの少しではなかったか。それが長い列をつくって、一斉にヨシ原を眺めている。ツバメの数もそうだが、観察する人間の数の多さにびっくりした。

それだけではない。コウノトリが観察会の直前、付近の水田でザリガニを採餌(さいじ)していたという。この写真にも驚いた。

2015年秋にも、いわきにコウノトリが飛来しことがある。そのときの拙ブログを要約・再掲する。

 ――千葉県野田市で放鳥されたコウノトリ3羽のうち、1羽がいわき市へ現れた。と思ったら、もう山梨県上野原市へ移動した。

3羽にはGPS(衛星利用測位システム)の発信器が装着されている。9月22日、メスの「未来(みき)」ちゃんがいわき(夏井川下流の平・菅波地区)で撮影された。

それを知って、野田市のホームページで移動経路を確認する。7月23日、放鳥。そのあと、足利市(群馬県)付近で過ごし、8月10日現在で猪苗代湖北部(福島県)に。

翌11日現在で白石市(宮城県)にいて、名取市を経て月遅れ盆から1カ月余は仙台市付近にとどまっていた。

9月24日~10月2日現在ではいわき市に滞留し、10月5日現在では上野原市にいる――。

 今年のコウノトリは、足環から、やはり野田市で4月に野外孵化をしたオス2羽のうちの1羽、「たける」君とわかった。

 いわき滞在は8月4~6日午後だったようで、8日には群馬県千代田町の田んぼで確認されたという。

 令和元年東日本台風で夏井川がはんらんし、甚大な被害が出た。その改修が今も続く。そうしたなかで、ツバメたちがいつもの下流域で休むことができたのはなによりだった。

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