いわき市平中神谷の夏井川堤防――。
春霞に誘われて、3日の夕方、散歩をした。あとで知ったのだが、春霞は黄砂だった。
阿武隈の山並みが絹のカーテンの向こうで次第に影絵と化し、赤い太陽が稜線に向かって沈もうとしている。太陽の光を一筋長く反射している川にはハクチョウとカモたち。
対岸の小高い丘の上にある梅福山専称寺(浄土宗)を見れば、境内の斜面が所々、白く染まっている。「梅の名所」で知られる寺もいよいよ、ふもとから中腹にかけて梅の花が満開になりつつあるらしい。
小名浜測候所の生物季節観測によれば、いわきでは梅は2月15日に開花した。平年より3日早く、昨年より7日遅い。ヤブツバキも意外と早く、昨年12月24日には開花した。前年より5日早い(平年値は1月17日)。
家の近所を歩くと、あちこちの庭で白梅が満開だ。近くの神社のヤブツバキも赤い花を付けている。2日に平のお城山を歩いたが、そこの梅も、ヤブツバキも花盛りだった。
二つの花前線は今どのあたりか。
2日に確かめたところでは、白梅は小川町上小川字牛小川(夏井川渓谷)に到着した。ヤブツバキはまだそこまでは行っていない。渓谷の入り口、小川町上小川字高崎の東北電力夏井川第3発電所あたりにとどまっている。
とはいえ、黄砂が舞い、霞が漂う季節になった。花前線はこれから駆け足で夏井川をさかのぼって行くことだろう。渓谷ではマンサクの花が咲き出した。
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